【有馬記念】ゴールド 鞍上内田は自賛「うまくリードできた」

[ 2012年12月24日 06:00 ]

高々とG1・3勝目の3本指を突き出す内田。左は須貝師
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 赤と白の勝負服姿で「サンタでーす」とおどけながら会見場に現れた内田。だが、いざ会見が始まると時折、感慨深げな表情を浮かべた。「ホッとした。これで勝てなければ(有馬を勝つ)チャンスはないという気持ちで乗った」。率直な心境が口を突いた。

 年初には想像もしなかったハッピーエンドだ。昨年5月の大井競馬で落馬し、頸椎(けいつい)骨折の重傷を負った。昨年の有馬記念は自宅のテレビで観戦。「次の年に自分が勝つとは思っていなかった」。そう振り返る内田の声はかれていた。

 「返し馬で(馬に)負けないようにしていたので」。2分31秒9の快勝劇。だが、ファンの前に姿を現す前から内田の戦いは始まっていた。ステイゴールド産駒らしく気性の荒いゴールドシップ。菊花賞では馬場入場時に暴れて振り落とされそうになったほど。「この馬には(チッチッと舌で音を出す)舌鼓(ぜっこ)では効かない。だから大きな声を出して威嚇するしかない」。何度も声を張り上げる鞍上にゴールドは“根負け”した。暴れたがったのは2度だけ。無事にゲート入りした時に、最初の関門はクリアしていた。

 多くの関係者が内田の長所に挙げるのが「馬に負けない」こと。内田は「人間がリードするんだということを分からせないといけない。きょうはうまくリードできたと思う」と自画自賛した。今年のG1騎乗19回は全騎手で最多タイ。「今年の漢字は“金”。その通りにゴールドで締めくくれて良かった。この馬は夢を乗せた金の船。来年が楽しみ。まず天皇賞・春を獲りたい」。先を見据えたベテランが新年も競馬界を盛り上げていく。

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