モナクカバキチの福山競馬、来年3月廃止 市長「経営厳しい」

[ 2012年11月26日 19:09 ]

 広島県福山市の羽田皓市長は26日、18億円超の累積赤字を抱える福山市営競馬について「経営環境は厳しく、収支均衡の予算を編成できない」として、来年3月末で廃止する方針を明らかにした。市役所内で競馬関係者と面会して伝えた。

 羽田市長は、本年度の収支見通しについて「黒字は極めて困難」と述べた上で「来年度も1億6000万円以上の歳出オーバーが見込まれる。予算が編成できない」と理由を説明した。

 競馬関係者からは「納得できない」などの声が上がったが、羽田市長は「やむを得ない決断で断腸の思い。就労などの面で精いっぱい対応したい」と理解を求めた。

 福山競馬をめぐっては、2010年に有識者による検討委員会が、事業継続の条件について「実質単年度黒字の確保」とする答申を提出し、存廃をめぐる議論が続いていた。

 福山競馬は1949年に開設され、中国地方で唯一残る地方競馬。今年7月には、人間で50代に当たる13歳の牡馬モナクカバキチが、地方競馬最多となる通算55勝を達成。“中年の星”として注目されたが、赤字の克服にはつながらなかった。

続きを表示

2012年11月26日のニュース