【ジャパンC】オルフェ飛ばされ2着 池添「あの判定はどうか」

[ 2012年11月26日 06:00 ]

(右)直線叩き合うオルフェーヴル(左)とジェンティルドンナ

 オルフェーヴルが直線の不利に泣いた。最強を決する「ジャパンC」。凱旋門賞2着から帰国初戦となった5冠馬オルフェーヴルは、直線で勝ったジェンティルドンナにはじき飛ばされる致命的な不利。立て直して必死に追いすがったが、鼻差の2着に敗れた。オーナーサイドは有馬記念(12月23日、中山)出走に意欲的。連覇が懸かる暮れの大一番で雪辱を期す。

【レース結果】

 オルフェーヴルを責める者などいない。5冠馬の力は示した。それでも結果は2着。悔しさは抑えきれない。池添が検量室を出てきたのは、レース終了から40分以上がたってからだった。パトロールビデオを何度も見直し、それでも納得はできなかった。

 「日本に帰ってきて(手綱が)僕に戻って、みんなが思っている結果(1着)を出さなければいけなかった。悔しい気持ちでいっぱい。遠征帰りで力は出してくれたが、着差が着差だけに、あの判定はどうかと思う。あれがなければと思っちゃうけど…」。唇をかみながら直線のシーンを敗因に挙げた。

 残り200メートル。オルフェーヴルが満を持して逃げるビートブラックを捉えようとした瞬間、内からジェンティルドンナが進路に入ってきて馬体をぶつけられた。オルフェーヴルは2頭分、外へ大きくはじかれた。池江師が「あれだけ、はじき飛ばされたら、どんな馬でも失速する。宙に浮いて手前(軸脚)も替えた」と振り返る致命的な不利。素早く立て直したが、その間にジェンティルが前へ。必死に手綱をしごく池添のアクションに応えて追いすがるが、3歳牝馬とは4キロ差ある。縮まりそうで縮まらない差。ゴールでも鼻差のままだった。

 凱旋門賞2着から帰国初戦。コンビ復活となった池添を背に、春に見せた荒っぽさは出さなかった。「道中は少し行きたがるところがあったが、馬の後ろで我慢してくれた」。ローズキングダムの後ろで折り合いに専念し、3~4角で一気に上昇。直線は追い出しを待って前に迫った。厳しいローテーションを分かった上での出走。池江師は「8割(の出来)はあったが、この状態でよく走っている。謙一(池添)も上手に乗ってくれた」と結果以外には納得の様子。池添も「馬自身はよく頑張ってくれた」と愛馬を称えた。

 吉田俊介・サンデーレーシング代表は「様子を見てになるが、有馬に行くんじゃないかな」と話し、今後は連覇の懸かる有馬記念に向かう方向。来年の現役続行にも前向きで、再び凱旋門賞にチャレンジするプランも明かした。「次に対戦することがあれば、お互いにいい状態で走りたい」。池江師もリベンジの機会に思いをはせた。結果がどうあれ、走るたびに歴史に残るドラマを演じるオルフェーヴル。新たなライバルを得て、その走りはさらに進化するに違いない。

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