【凱旋門賞】歴史変える!オルフェ、試練の大外18番

[ 2012年10月6日 06:00 ]

凱旋門賞に出走するオルフェーヴル

 最後の試練を突破せよ!!日本から5冠馬オルフェーヴル(牡4=池江)が参戦する「第91回凱旋門賞」(7日、フランス・ロンシャン芝2400メートル、発走午後4時25分=日本時間同日午後11時25分、賞金総額400万ユーロ=約4億円、優勝賞金228万5600ユーロ=約2億2800万円、18頭立て)の枠順抽選会が5日、パリ市内のレストランで行われ、オルフェーヴルは大外18番に決定した。83年オールアロング(24頭立て24番)を最後に16番以降は優勝しておらず、ここ8年の優勝馬は全て1桁枠。日本競馬の悲願達成へ、突破すべき最後の壁が立ちはだかった。

 最後に試練が待っていた。パリ市内で行われた枠順抽選会は、馬名と枠番の書かれたボールをそれぞれ1つずつ選んでいく方式。その運命は、ロンドン五輪柔道女子70キロ級金メダリスト、リュシ・デコスの手に委ねられた。オルフェーヴルの馬名は18頭中、6番目に登場。枠番を決めるボールは…「18」。大外、まさかの18番。場内からどよめきが起こる。会場にいたライバル陣営は「気の毒に」と言いたげな表情を見せた。

 日本でなじみのペリエ(ソレミア騎乗)は「一番難しい枠に入ったね。帯同馬のアヴェンティーノとチームでどう戦うかだろう。まだ諦めるのは早い」。ライバルのサオノワに騎乗するアムランは「良くない枠だと思う」とコメントした。

 8年連続で1桁枠番が優勝している凱旋門賞。大外枠の勝利は過去20年で、03年ダラカニ(14番)1頭のみ。83年オールアロング(24番)、86年ダンシングブレーヴ(15番)が大外を克服したが、厳しいことに変わりはない。レース当日、第1レース終了後に仮柵が外され、インに芝のいい「グリーンベルト」が出現するロンシャン。内が絶対有利なのだ。

 調整は順調そのものだ。5日は坂路を2本、軽快に駆け上がり、7日の大一番に備えた。池江師は「気合が乗って、前の馬を抜こうとする迫力がある。雰囲気は凄くいい」と目を細める。枠順については「大外は鬼門と思われるかもしれないが、内で包まれることだけは避けたかった。いい枠だと思う」と、プラスに受け取った。

 今春に大外枠に入った阪神大賞典(2着)、天皇賞・春(11着)と圧倒的人気を裏切った。その悪夢がよぎるが、師は「フランスの競馬は馬群が密集するから日本とは違う。スミヨンが凱旋門賞は戦争だと表現するくらい、レース中に馬体をぶつけ合う。だから、外枠の方がスムーズな競馬ができる」と分析した。

 大一番目前。だが、指揮官に焦りの色はない。「天皇賞の時の方が緊張した。何とか期待に応えないといけない気持ちがあった」。最後に「オルフェらしいレースを見せてくれれば」と締めくくった。

 世界一を獲るために、乗り越えなければならない壁。それが大外18番。69年スピードシンボリ(着外)から始まった43年に及ぶ壮大な挑戦。最後に絶壁を登り詰め、オルフェが日本の夢をつかむ。

 ▼12年阪神大賞典 12頭立ての12番。前に壁をつくれず向正面で先頭に立つと、2周目3角で外ラチに向かって大きく逸走。後方2番手まで下がったが、そこから猛然と追い上げて直線でいったんは先頭に。最後は力尽きて2着に終わった。

 ▼12年天皇賞・春 阪神大賞典に続いて大外18番。折り合いを重視して後方からレースを進め、2周目3角でも後ろから2頭目の位置。縦長で差し馬が届かなかった展開もあり、勝ったビートブラックに1秒8差の11着と惨敗した。

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