【新潟記念】7歳馬堂々!トランスワープ、剛脚差し切りV

[ 2012年9月3日 06:00 ]

【新潟記念】レース後の口取りでも元気いっぱいのトランスワープ

 これはもう本物だ。サマー2000シリーズ最終戦「第48回新潟記念」は函館記念覇者のトランスワープが直線で剛脚を繰り出して差し切り。シリーズ2勝で堂々と王者に輝いた。遅咲きの7歳セン馬は異なる適性を求められる函館、新潟の重賞でパワーとスピードを証明。秋の主役候補に名乗りを上げた。

 残り500メートル。ゴーサインのムチを一発入れた瞬間、大野の頭にあった一抹の不安が跡形もなく消え去った。「いける!」。新潟芝は未経験。瞬発力勝負に対応できるかがポイントだったが、鞍上の手応え通りに長い直線をグイグイと伸び、ライバルたちを外からまとめて差し切った。

 上がり3Fはメンバー最速の32秒3。大野は「前走同様に抜群の切れ味。気持ち良かった。時計勝負は正直半信半疑だったが、馬に申し訳ないくらいですね」と照れ笑いしながら喜びを語った。重賞初Vを飾った前走・函館記念に続く連勝は、完全本格化を印象付けるに十分な内容。パワーを求められる洋芝の函館で勝ち、スピード優先の新潟でもV。馬場を問わぬ切れ味は今後に向けても大きな武器になる。

 7歳ながらキャリアはまだ20戦。これまでは飛節やトモ(後肢)の緩さなどがあって休み休みしか使えなかったが「順調に使えているのが一番大きい」と大野が言うように、1戦ごとに着実に力を付けてきた。萩原師は「僕よりトランスワープのことをよく知っているので全て任せた」と鞍上に全幅の信頼を寄せる。これで騎乗時は【4201】となった大野は「調教から全て任せてもらっているので、それで結果を出せたことがうれしい」と充足感を漂わせた。

 師は今後について「サマーチャンピオンの名に恥じぬ成績を残せるように頑張っていく」とコメント。2000メートルの重賞を連勝したことで、天皇賞・秋が大きな目標となりそうだ。同じく7歳時に七夕賞、新潟記念を勝って98年天皇賞・秋まで制したオフサイドトラップを思わせる快進撃。遅れてきた夏の王者から秋も目が離せない。

 ≪7歳まだ成長≫トランスワープは12キロ増の540キロで新潟記念を制覇。これは96年トウカイタロー(534キロ)を抜き、同レースの勝ち馬としては最高馬体重となった。過去には550キロで出走したこともある大型馬だが、7歳夏を迎えての馬体増はまだ成長している証拠?

 ◆トランスワープ 父ファルブラヴ 母ボンヌシャンス(母の父リアルシャダイ)セン7歳 美浦・萩原厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績20戦7勝 総獲得賞金1億6451万3000円。

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