今年も目玉はディープ産駒!史上4位タイの2億5千万

[ 2012年7月10日 06:00 ]

<セレクトセール2012>この日の最高額2億5000万円で島川氏に落札されたアドマイヤキラメキの2011

セレクトセール2012

(7月9日)
 日本最大の競走馬セリ「セレクトセール2012」(日本競走馬協会主催)が9日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで始まった。初日の1歳馬セリでは、近親に天皇賞・秋を制したトーセンジョーダンがいる「アドマイヤキラメキの2011」(牡、父ディープインパクト)が1歳史上4位タイとなる2億5000万円の最高額で取引された。その「トーセン」血統に執念を見せた島川隆哉氏が激しい“競り合い”を制して落札した。

 この血統に、この人ありだ。初日の目玉と目されていた「アドマイヤキラメキの2011」を落札したのは島川隆哉氏。母の半弟で昨年の天皇賞・秋を制したトーセンジョーダン、同じく今年の京都新聞杯を制したトーセンホマレボシを所有する、この血統ゆかりのオーナー。手に入れたばかりの愛馬と記念撮影を終えると、笑顔で口を開いた。

 「この血統ですからね。行くしかないと思っていましたよ。何でこんなに高くなるのかと思ったけれど、しようがないですね」

 何が何でも手に入れるという気持ちが、会場中に伝わっていた。リザーブ価格の5000万円から瞬く間に1000万円単位で競り上がり、1億、2億と大台を突破。最後はグローブエクワインマネジメント代表・多田信尊氏との一騎打ち。島川氏は相手のコールにすかさず返す気迫で最後は「2億5000万円」のコールで決着を付けた。

 1歳馬セールの落札では史上4位タイ。セレクトセールでは、昨年の「エアグルーヴの2010」3億6000万円、同じく「マイケイティーズ」2010の2億6000万円に次ぐ史上3位タイとなる高額馬。ダービーに2年連続で有力馬を送り込んで涙をのんでいる(昨年トーセンラー11着、今年トーセンホマレボシ3着)島川氏だけに、なおさらこの馬への期待は膨らむ。

 「一生獲れないんじゃないかと思っているけれど、目指すのはもちろんダービー。値段の分は稼いでほしいけれど、そのためにはG1を2つ勝たないと」

(池江厩舎預ける/) 厩舎については、島川氏が「池江先生になるでしょう」と明言。それを伝え聞いた池江師は表情を引き締めて、こう口にした。

 「そうなればうれしいです。血統も馬体も凄く良かったので、僕がオーナーにお薦めしました」

 秘める素質は間違いなく一級品。2014年のダービーが今から待ち遠しい。

 ▽セレクトセール 日本競走馬協会が主催する日本最大のセリ市。主催者が競走馬を選別(セレクト)することで、質の高い馬が上場されると評価されている。98年スタート。99年以降中断されていた1歳馬のセリは05年再開。これまでの最高落札額はディナシー(トゥザヴィクトリーの2006)の6億円。セール出身馬にはディープインパクト(購買価格7000万円)、キングカメハメハ(同7800万円)など多くのG1馬がいる。今年のダービー馬ディープブリランテは09年当歳セールで3100万円だった。

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