【ラジオNIKKEI賞】ファイナル 若さ溢れる圧勝V

[ 2012年7月2日 06:00 ]

【ラジオNIKKEI賞】レースを制したファイナルフォーム

 3歳ハンデ重賞「第61回ラジオNIKKEI賞」が2年ぶりに福島競馬場で行われ、2番人気ファイナルフォームが好位から楽に抜け出し重賞初制覇を飾った。手綱を取った南関・大井所属の戸崎は、同じ堀厩舎のリアルインパクトで11年安田記念を制して以来となるJRA重賞3勝目。夏のみちのくで新たなスター候補が誕生した。

 ファイナルフォームは前走に続き、直線は外によれる若さを見せたが、後続に2馬身差をつけて快勝。初コンビを組んだ戸崎はその乗り味を絶賛した。

 「またがった瞬間から素晴らしい馬だなと思った。終始、手応えは良かったし、これなら伸びてくれると思って乗っていた」

 課題だったゲートを無事クリアすると、スッと好位に取り付いて道中は好位5番手をキープ。直線手前で1番人気ヤマニンファラオの背後へ。ラスト100メートルで先頭に立ち、そこから流す余裕を見せてゴールに飛び込んだ。

 「スタートは新馬戦のときにある程度出ていたし、いじくらず馬任せでいこうと。過去のレース映像を見て、いい馬だなと思っていたし、馬の邪魔をせずに乗ろうと心掛けた」
 前走の500万V(東京)はゴール寸前で突然、外に斜行し、直後にいた馬の走行を妨害する悪癖を見せていた。この日も最後の直線で抜け出したと同時に、外に大きくよれる粗削りな面を見せたが、後方に馬がいなかったため、無事に走り切ることができた。

 「先頭に立ったらフワッとしてしまう若さはあるが、気をつけて乗れば大丈夫じゃないかな。経験が浅い中で、これだけ素晴らしい走りができれば今後が楽しみ。距離は延びても対応できると思う」

 鞍上にとって福島の重賞騎乗は08年七夕賞(ダブルティンパニー10着)以来。この日は堀厩舎とのコンビで4勝の固め打ち。6、7Rで連勝すると、メーン直後の12RでもV。福島のファンの前で巧みな手綱さばきを披露した。「福島はいい競馬場だと思うし、競馬を開催できたことをうれしく思っています。これからも競馬を通して力になれれば」と鞍上。

 キャリア5戦目での重賞制覇。今後について堀師は「来週に馬の様子を見ながら、馬主と相談して決めたい」と話した。秋はクラシックか、古馬に挑戦か。今年3月にデビューしたばかりの若駒だけに、その可能性は大きく広がる。

 ≪前走斜行も1着確定≫物議をかもしたファイナルフォームの前走は6月10日の東京8R。直線で外から先頭に躍り出たものの、ゴール寸前で急激に外側へ斜行。3着ランパスインベガスの松岡が立ち上がって急ブレーキをかける大きな不利を与えた。審議となり、ファイナルに騎乗していた内田は2日間の騎乗停止となったが、着順は変更されずに確定。ランパスの小島茂師が行った不服申し立ても、13日に開かれた裁定委員会で却下された。

 ◆ファイナルフォーム 父ディープインパクト 母ファイナルデスティネーション(母の父オライリー)牡3歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績5戦3勝 獲得賞金5436万7000円。

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