40歳と17歳の新人 父の夢を継ぎ、父の目の前で…

[ 2012年6月8日 06:00 ]

初勝利を挙げた江里口裕輝騎手

 【地方競馬です!!】ダービー開催週の大井で2人のルーキーが記念すべき初勝利。5日にデビュー3戦目をマロンロードで制した久保杉隆師(40)は新人とはいえ幼い頃から厩舎で育ち、厩務員、調教師補佐として競馬一筋。5月31日で引退した父・利明師(72)の厩舎を引き継ぐ形で同28日に開業した。父は最後のアラブダービー(96年)をアレッポオーで制覇。「見ていましたよ。的場さんに乗ってもらって…。父から一番学んだのは馬主さんの大事な財産である馬に故障がないようにやっていくこと。今は数多く出走する時代だが、その中でも心掛けていきたい」。周囲から“なぜこんな厳しい時に調教師に”と言われることもある。「生まれ育ったところですから。スタッフ皆で1つでも上を目指したい」と表情を引き締めた。

 ダービーデーの6日に3Rスプリングレイで初めて先頭ゴールを体験した江里口裕輝騎手(17)。馬主の父・弘一郎氏(38)は現地で感動の観戦となった。愛馬は3着に終わったが、笑顔で「来てました?きょうは見ていなかったので」と視線は愛息へ一直線。4月の初騎乗は、あぶみが外れるなど本人もショックを受けていた。「初勝利までもう少しかかると思っていたが…。よく立ち直ってくれた」とホッとした様子。競馬場では多くの人たちによって新たなドラマが生み出されていく。(池田 裕文)

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