【安田記念】衝撃レコード!ストロング 雪辱のG1初制覇

[ 2012年6月4日 06:00 ]

<安田記念>レースを制した(4)ストロングリターンの福永騎手はガッツポーズ

 昨年の、そして1週間前の雪辱だ。「第62回安田記念」が東京競馬場で行われ、昨年2着のストロングリターンが直線で鋭く伸びてG1初優勝を果たした。福永はこのレース15度目の騎乗で初制覇。先週のダービーで1番人気ワールドエースに騎乗し4着に敗れた雪辱を果たした。堀師は昨年のリアルインパクトに続く連覇。堀師&福永のコンビは12R・ユニコーンSもストローハットで制し、堀師は07年角居師(ダービー、目黒記念)に続く史上2人目の同一競馬場1日2重賞制覇を達成した。

【レース結果】

 黒い帽子が2つ。意地とプライドをぶつけ合った追い比べを制したのは福永だった。右手でガッツポーズ。ストロングリターンの首筋をポンと叩いてたてがみをなでると、もう一度ガッツポーズを繰り出した。「すみません。やっと勝てましたっていう感じです」。ウイナーズサークルでは率直な気持ちを口にした。

 福永と内田。単勝オッズが割れたように史上空前の大混戦レースは、先週のダービーで人気を分け合った(ワールドエースとゴールドシップ)2人の名手による「1週遅れのマッチレース」となった。1分31秒3はJRAレコード。福永は「レコードは(ハイ)ペースが大きかったと思うが、高い能力の持ち主。今後もG1で主役を張れる器だと思う」と馬を称えたが、自身にも期するものがあった。

 今年9度目のG1騎乗。ダービーをはじめ1番人気馬で3度臨んだが勝てなかった。ストロングリターンとは前走からのコンビ。美浦に駆けつけて木曜の追い切りに乗り、ポイントを(1)スタート(2)折り合い(3)もたれ癖――とつかんだ。スタートを決めるとハイペースも味方して折り合いもスムーズ。「道中はサダムパテックの後ろで競馬をしたいと思っていた。取りたいポジションを取れた」と中団やや後ろで脚をためた。直線は完全に直線を向き切るまで待ってから外に出すことでもたれることを防いだ。「昨年の2着馬を頼まれたということは、それ以上の結果を求められていたと思う。能力がきっ抗したメンバー構成だったので1つのミスもできないと感じていた。結果を出せたのは自信につながる」と胸を張った。

 福永はユニコーンSもストローハットで制し、土曜の鳴尾記念(トゥザグローリー)と合わせて史上初となる土日で重賞3勝をマーク。「勝てる馬に乗って勝てる騎乗をすれば勝てる。レースの結果は偶然じゃない。必然をいかに増やしていけるか」と納得の表情を浮かべたが、昨年リーディングを獲得した35歳はさらに上を見据えている。

 今夏は米西海岸に遠征する予定。宝塚記念後から秋の阪神開幕までの間を、ハリウッドパーク競馬場やデルマー競馬場などで騎乗する。「このままじゃ駄目なんでね。まだまだ足りないなと思うので、それを埋めたい」と貪欲な姿勢を示した。より信頼されるジョッキーへ。福永の挑戦はまだまだ続く。

 ▽ストロングリターン 父シンボリクリスエス 母コートアウト(母の父スマートストライク)牡6歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績19戦7勝 総獲得賞金3億1099万5000円。

続きを表示

この記事のフォト

2012年6月4日のニュース