【安田記念】2度目の来日!ラッキー高速馬場フィット

[ 2012年5月31日 06:00 ]

<安田記念>ラッキーナインは東京芝コースを駆け抜けた

 春のマイル王決定戦「第62回安田記念」の追い切りが30日、東京競馬場、美浦、栗東両トレセンで行われた。昨秋以来2度目の来日となる香港の刺客ラッキーナインは、東京競馬場の芝コースで切れの良い走り。追い切り後に香港にトンボ返りしたキャスパー・ファウンズ師(44)も大満足の好仕上がりだ。

 早々と来日し自ら指揮を執った指揮官の姿こそが、やる気の証明だ。ファウンズ師が見守る中、ラッキーナインはビュッセイ助手を背に決戦舞台を快走した。初体験の東京の芝に戸惑うこともなく、残り6Fからペースアップ。6F79秒9~1F12秒1。力強さより軽快さを前面に出した走り。体も太め感なく仕上がっている。動きを見届けた指揮官は「思っていた通りの時計。いい感じできているね。金曜(6月1日)にひと叩きすれば、ちょうど仕上がると思う」と笑みを浮かべた。

 馬はもう日本でもおなじみだ。昨年9月のセントウルSは59キロの酷量を背負って2着。続くスプリンターズS5着は直線で前が壁になる不利が致命傷だった。帰国後の12月、香港スプリントで念願のG1初制覇。今年は一時遠ざかっていたマイル路線に戻ってきた。

 師は理由を端的に明かした。「若い頃に抱えていた内臓(気道)の問題でスプリントを中心に使ってきた。今はそれも改善された。前走のチャンピオンズマイル(3着)は安田記念の準備のために使った。大外枠は厳しかったが内容は良かったからね」。昨年4月のチャンピオンズマイル2着以来、丸1年ぶりの1600メートル戦ながら、道中2番手からしぶとく粘った前走は、安田記念の“試走”と考えれば上々だ。

 週初めの28日に来日した指揮官。30日夜は香港・ハッピーヴァレー競馬場のナイター開催があるため、羽田空港へトンボ返りの慌ただしさ。全ては愛馬の状態をこの目で確かめたかったから。追い切りが終わると、東京競馬場の前に待たせていたタクシーに飛び乗った。

 「シルポートが飛ばすって?日本の競馬は常に速い時計のレースになると認識しているから、大歓迎だよ。前2戦は枠に恵まれなかった(共に大外)から、いい枠が欲しい。前の方に楽に行ける枠なら3着以内に入る自信はある。では、日曜に会いましょう!!」

 師は笑顔でしばしの別れを告げた。昨年1月の香港クラシックマイルでイクステンション(今年のチャンピオンズマイル優勝馬)を破った実績もある。昨年のスプリンターズSの借りを返す態勢は整っている。

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2012年5月31日のニュース