【桜花賞】ヴィルシーナ2着…大魔神“悔シーナ”

[ 2012年4月9日 06:00 ]

<桜花賞>ジェンティルドンナ(中)に差し切られ、2着となったヴィルシーナ(左)

 桜花賞は直線で3頭の叩き合い、見応えたっぷりの攻防となった。最内のヴィルシーナがアイムユアーズを差し返す根性を見せて2着を死守。オーナーの元大リーガー、佐々木主浩氏(44)のG1初制覇はならなかったものの、オークス(5月20日、東京)に向けて期待が膨らむ好内容だった。関東馬最先着のアイムユアーズも地元での雪辱に意欲満々だ。

 理想の展開だった。4番人気ヴィルシーナは好位をピタリと追走。内田は「勝つつもりだった」と振り返った。

 「位置取りはヨシヨシと思っていた。馬場の荒れた内へ入れたくなかったし、いい展開だなと」

 後続の動きにも注意してステッキを入れたのは「最後の200メートルから」と読み通りの流れ。いったんは先頭に立って場内を沸かせた。ジェンティルドンナとの火の出るような叩き合い。しぶとく食い下がったが、最後は勝ち馬の末脚に屈した。

 内田は「(勝ち馬と直接)併せる形なら違ったと思う」と唇をかんだ。間にアイムユアーズを挟んで、勝ち馬との間に距離ができたことだけが誤算だった。

 大接戦にオーナーの佐々木主浩氏は「相当、声が出た」と大興奮の面持ちだ。朝に都内でテレビ出演後、家族で阪神へ移動して声援を送っていた。母・信子さんが3月28日に死去。直線で見せた脚は、最愛の母がそっと後押ししていたのかもしれない。

 馬主としてG1初勝利はならなかったが「これでオークスが楽しみになった」と次走以降に期待をつないだ。愛馬は当初から距離が延びてこそ、との評価を受けていた。もちろんオークス当日、5月20日のスケジュールは空けてある。

 惜敗は次なる目標へ向けて陣営を結束させた。内田は「次、リベンジですね」。友道師も「もともと目標は次だった。いい形でいけると思います」と前を向いた。この後は短期放牧を挟んで調整。悔しさの後に、確かな手応えが残った。

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