【女子競輪卒業記念】加瀬 全勝で初代クイーン!

[ 2012年3月23日 06:00 ]

<女子競輪卒業記念>トロフィーを手に笑顔の(左から)2着中村、1着加瀬、3着小林

 日本競輪学校第101回生徒(男子37人)と女子第1回生徒(33人)の卒業記念レース決勝戦が22日、松戸競輪場で行われた。男子は山本伸一(29=高知)が3番手から追い込んで優勝、女子は加瀬加奈子(31=新潟)が4番手からまくって初代女子チャンプに輝いた。男女とも24日に卒業式、7月1日からの平塚F1を皮切りにプロデビューする。

 加瀬の独壇場だった。21日の予選、準決勝を力強い逃げ切りで3連勝。決勝戦も「小林さんに負けないように先行」で臨んだ。篠崎の動きが想定外で4番手の外に位置したが、「レースは思い通りにいかないことが多い」と冷静に対処。自分のタイミングでまくり、真っ先にゴールを駆け抜けた。

 陽気でおしゃべり好きの加瀬の周りにはいつも人が集まる。短髪で声も低く男勝りな風ぼうはよく目立つ。本人も「本当は男だろ?とよく言われる」と豪快に笑い飛ばすほどの“男前キャラ”を演じている。7月、48年ぶりに女子競輪が復活。8月には代表の座を目指すロンドン五輪…。加瀬は大きな期待を背負いながら、「自分は男前のレースをしたい」など笑顔を絶やさず周りを和やかにする“太陽キャラ”を見せつけた。

 トライアスロン時代に得意だった自転車を生かすべく競輪選手に転向。「オリンピックに出場したい」と競輪学校在学中もワールドカップなど国際大会で戦った。昨年11月の右鎖骨骨折のアクシデントも乗り越えて一歩一歩、夢に近づいている。

 7月からの本職(競輪)については「48年前の終わり方(女子競輪廃止)にならないように誰が勝ってもいいレベルにしていかないといけない」。第1回生の柱として女子競輪を引っ張っていく“男前”の心意気を語った。

 ◆加瀬 加奈子(かせ・かなこ)1980年(昭55)5月31日、新潟県長岡市生まれの31歳。03年に順天堂大卒後、埼玉県内の知的障害者施設で運動指導員。10年に弥彦競輪の女子自転車グループ「クラブ・スピリッツ」に所属。在校成績は16戦13勝、2着2回で第2位。1メートル64、66キロ。血液型A。

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