【総理大臣杯】馬袋、19年4カ月で初優出V!

[ 2012年3月21日 06:00 ]

優勝しファンの声援に応える馬袋

 ボートレース戸田の今年初SG「第47回総理大臣杯」(優勝賞金3500万円)は20日、最終12Rで優勝戦が争われた。1枠の馬袋義則(39=兵庫)が抜群の回り足を生かしてインから逃げ切り、そのまま先頭でゴール。92年11月のデビューから約19年4カ月、SG10回目の出場(同タイトルは初出場)で初優出Vを果たした。なお、2着には2コースの白井英治が入線した。

 現行プロペラ制度で争われる最後のSGを制したのは、09年以降はSG出場経験さえなかった“伏兵”の馬袋だった。歓喜のゴール後は、控えめにガッツポーズ。「(ガッツポーズは)自然に出た。うれしいとかじゃなく(優勝した)実感がなかった」と目を丸くしながら「表彰式でお客さんがいっぱいで、初めて緊張した」と表情を崩した。

 優勝への最短距離である“1枠=イン”にもかかわらず、人気を集めることができなかった。それでも「オッズは見なかった」と気にしなかった。重い印が少ないスポーツ新聞も「チラッと見た」程度。「同支部の方から“馬袋をなめとんのか!”と声を掛けてもらった」と大仕事を成し遂げて充実の表情だ。

 「進入はスタート展示の形が良かったけど、本番は枠なりになって正直嫌だと思った」がすぐに「自分のスタートを行くことだけを考えた」と平常心を取り戻す。「スタートは全速。全速でないと持たないと思った。1M回った瞬間に“よしっ!”と思ったし、2Mもしっかり回れたので(優勝を)確信した」と胸を張った。

 この優勝で今年の獲得賞金は4284万3000円。年末の賞金王出場へ大きなアドバンテージを得た。「本当に実感がない。(賞金王に)乗れなかったら恥ずかしいので…」と苦笑いの馬袋。G1タイトルさえなかった“シンデレラボーイ”にとって、12年は飛躍の年となりそうな予感が漂う。

 ◆優勝戦VTR 進入はS展示が124・563で、本番は123・456。伸びる吉田をトップSの白井がけん制する間に、イン馬袋が先マイを果たして逃げ切る。1M差した今垣を白井が2M全速で振り切り2着。今垣は吉田の猛追をしのいで3着を守った。

 ◆馬袋 義則(ばたい・よしのり)1972年(昭47)10月3日、兵庫県生まれの39歳。兵庫支部所属。92年9月30日登録の71期生。同期には山崎智也、海野ゆかり、角谷健吾らがいる。初優勝は96年12月の尼崎一般戦。通算37V。G1は6優出0V。1メートル68、50キロ。血液型B。

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