【阪神大賞典】オルフェ珍負け!?大暴走でも2着

[ 2012年3月19日 06:00 ]

<阪神大賞典>ギュスターヴクライ(左)を猛追したオルフェーヴルだったが…

 昨年のJRA年度代表馬が“規格外”の走りでファンを驚かせた。秋に凱旋門賞挑戦を控えるオルフェーヴルの今年の始動戦となった「第60回阪神大賞典」が18日、阪神競馬場で行われた。勝負どころの2周目3コーナーで大きく逸走。そこから盛り返し、最後は半馬身差2着となる驚異の走り。「3冠馬」に加え「希代のクセ馬」という新たな称号もものにして!?現役最強馬が12年世界制覇へスタートを切った。

【レース結果】

 単勝1・1倍の大本命馬の“迷走”には、ファンも馬券をやられた悔しさを忘れて苦笑するしかなかった。

 オルフェーヴルはスタート直後から自分自身を見失ってしまった。「前に壁をつくって乗りたかったが…」と池添が後悔したように道中ナムラクレセントに外からかわされると1周目ホームストレッチでは早くも行く気にはやった。最初の1000メートル通過が1分4秒9。やや重の馬場状態を差し引いても遅く“我慢”が必要な流れ。「1~2コーナーでも外に行きかけた」(池添)のは何とかこらえたが向正面では辛抱できず先頭へ立ってしまう。

 そして迎えた2周目3コーナー。阪神の2万ファンがジェットコースターに乗ったような気分にされる“珍プレー”が繰り広げられた。故障か、というファンの悲鳴が上がったようにオルフェが外ラチに向かって逸走してしまった。だが後方まで下がった直後だ。今度は鋭角にターンしてハミを取ると大きなどよめきに後押しされるように馬群に取り付いていく。そして直線でいったん先頭に立つほど。結果、最後に力尽き2着でゴールすると今度は大歓声が落胆の「あ~」というため息に変わった。

 池江師は「まだ若い。外枠にせよ、スローの流れにせよ全部が試練だった。ただ、そうした試練を乗り越えないと凱旋門賞は勝てない」と振り返った。逸走で平地調教再審査となったが、世界制覇へ能力が足りるのは分かった。後は気性をどう制御できるかが今後最大のポイントとなる。

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