「岩手の怪物」トウケイニセイ死す…25歳老衰で

[ 2012年3月7日 06:00 ]

10年盛岡競馬場凱旋時のトウケイニセイ(岩手県競馬組合提供)

 通算43戦39勝(42連対)の成績を残し、“伝説の名馬”と呼ばれた岩手競馬のトウケイニセイ(牡)が6日朝、余生を送っていた岩手県滝沢村の「馬っこパーク・いわて」(観光乗馬施設)で老衰のため死んだ。25歳。岩手県競馬組合が発表した。

 89年の初出走から、菅原勲騎手を主戦に当時の日本記録となるデビュー18連勝を達成。95年に41連続連対の日本記録を引っ提げ、全国交流重賞となった南部杯(水沢開催)に参戦した。中央馬ライブリマウント、大井ヨシノキングの3着に敗れ、初めて連対を外したが、同年の桐花賞(岩手重賞)を3連覇して引退。「岩手の怪物」、「岩手最強馬」として絶大な人気を誇った。

 04年まで種牡馬生活、09年からは馬っこパークへ移り、東日本大震災も乗り越えたが、老衰には勝てなかった。種牡馬としては04年TCKディスタフ2着ドリームサラなどを送り出した。馬っこパークの山手代表は「1カ月ほどカイバ食いが悪く少しやせていた。ここ数日は体調も上向きで昨夜(5日)も元気だったが、けさ馬房で亡くなっていた。岩手の宝としてみなに愛されながら、まだまだこれからもゆっくりと余生を送れるものと思っていただけに非常に残念」と名馬の死を惜しんだ。

 ▽菅原勲騎手 自分に競馬を教えてくれた馬。トウケイニセイがいなかったら自分の騎手人生は全く違ったものになっていたと思います。それほど騎手として大きな影響を受けた馬。残念ですが天国でゆっくりと過ごしてほしいです。

 ▽小西重征調教師 トウケイニセイは自分にとって競馬人生そのものでした。巡り合えたことを幸せに思います。とても賢く、我慢強い馬で、痛いところもあったと思いますが、そのようなそぶりを見せずに最後までレースをやり遂げた。天国でゆっくりと休んでほしい。

 ◆トウケイニセイ 父トウケイホープ 母エースツバキ(母の父リフォーム)87年5月21日、北海道・浦河町産、牡25歳 現役時の所属は岩手・小西重征厩舎 馬主は小野寺喜久男氏 戦績43戦39勝 主な勝ち鞍は93、94年南部杯。総獲得賞金3億1577万円。

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