小島貞博さん自殺…借金苦か「悩んでいた」

[ 2012年1月25日 06:00 ]

静まりかえる栗東の小島貞厩舎

 騎手、調教師としてG1を制覇するなど活躍した小島貞博さん(享年60)自殺から一夜明けた24日、栗東トレセン関係者の間に衝撃が広がった。複数の証言によれば、私生活で多額の借金を抱えていたという。

 騎手時代、戸山厩舎の弟弟子だった小谷内秀夫調教助手は「さっき知ったばかり。びっくりした」とショックを隠せない。娘婿(むこ)の田嶋翔騎手は最近の小島貞師の様子を「悩んでいた」と振り返り「土曜に競馬場で会ったのが最後だった。普通を装ってはいたけど…」と言葉を詰まらせた。そして「関東からこっちに呼んでくれたのは先生だった。お世話になったんで…。急だったから…」と気持ちの整理がつかない様子だった。

 かつて厩舎に小島貞師が調教助手として所属していた鹿戸明調教師は「何が何だか分からない。根が真面目だから、悩み事が多かったんじゃないかな。ご苦労さまとしか言いようがない」と話した。

 一方、美浦トレセンではダービージョッキーの先輩にあたる菅原師が「数回お酒を飲む機会があったが、優しいいい男でした。ダービーを2勝もしたジョッキーが病気で亡くなるならともかく…。本当に残念です」と沈痛な面持ち。別のある調教師は「お金に困っているという噂は聞いたことがあったが、まさか…」と驚きを隠さなかった。

 厩舎の管理馬はこの日運動のみの調整。馬房は24日付で義兄にあたる湯窪幸雄調教師に臨時貸し付けされ、今後転厩馬として調教やレースに臨むこととなる。厩舎の番頭格だった松井信幸調教助手は「今後のことは湯窪先生やスタッフとも相談して考えたい」と話した。通夜、葬儀は近親者のみで営まれる。

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2012年1月25日のニュース