【KEIRINグランプリ】村上 魂の逃走だ

[ 2011年12月29日 06:00 ]

<KEIRINグランプリ>村上は朝の開門時にファンとの握手会で笑顔を見せる

 東日本大震災被災地支援「KEIRINグランプリ2011」は30日、平塚競輪場で行われる。“村上家GP連覇”に挑む村上義弘、GP優勝最多タイ記録の3勝目を狙う伏見俊昭らベストナインは28日、それぞれの調整に努めた。2日目は新田祐大、渡辺一成らが出場する11R「ナショナルチームカップ」をメーンにオールS級戦の準決勝が争われる。

 1億円の一発勝負を2日後に控えた28日、ベストナインは朝夕の指定練習、ローラー練習などで調整に努めた。ヤンググランプリ終了後の午後5時すぎからは深谷、浅井、村上、武田、伏見、佐藤の6選手が本番に近い夕方の冷たいバンクコンディションを確かめるように周回を重ねた。

 グランプリ2011は見どころも多く、深谷の最年少V成るか?など、いくつかの記録も懸かるが、“村上家のグランプリ連覇”にも注目が集まる。

 昨年は弟・博幸が3月の松戸ダービーを優勝して立川グランプリ制覇で幕を閉じた。今年は「日本選手権を勝つことが夢だった」と振り返る兄・義弘の名古屋ダービー優勝でG1戦線が幕を開けた。それだけに「村上家で(グランプリを)連覇したい」思いは強い。2年連続5回目の大一番は「単騎戦で優勝だけを狙って頑張りたい」と村上らしい魂の走りで頂点を目指す。

 5年連続9回目の出場で4年ぶり3回目のグランプリ制覇を狙うのが伏見。過去に3回優勝したのは井上茂徳氏(本紙評論家)と山田裕仁の2人だけ。「僕は毎年、(グランプリは)今回が最後と思って全力を尽くしている」。伏見の最多優勝タイ記録も焦点の1つ。

 「今年は3月11日以降、大変な1年でした…」。伏見、成田、佐藤の3人が語るように北日本勢は厳しい環境の中で戦ってきた。今年1年を振り返り、被災地への思いを伝える言葉は伏見が「希望」、成田が「前進」、佐藤が「絆」。北日本勢の強い結束力もまた大一番の行方を左右する。

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2011年12月29日のニュース