【第53回競輪祭】3センチ差V!!長塚GP切符

[ 2011年12月5日 06:00 ]

小倉競輪祭りで茨城ワンツーの長塚(右)と武田はお互いを称え合う

 銀メダリストの長塚がG1初制覇。「東日本大震災被災地支援・第53回競輪祭」の決勝戦は4日、北九州・小倉競輪場で争われ、武田豊樹のまくりに続いた長塚智広(33=茨城・81期)がゴール直前で差して優勝。賞金2590万円(副賞含む)とグランプリ2011の出場権利を獲得した。長塚のG1優勝は初めて。また、同競輪終了後にグランプリ2011の出場9選手が決定した。

 世界のダッシュ力を誇る長塚がタイヤ差(約3センチ)で悲願のG1初制覇を飾った。グランプリ2011の出場選手も決まる今年最後のG1決勝戦は「武田さんの後輪だけに集中していた」長塚と武田がほぼ同時にゴールした。写真判定の結果は長塚が1着。「いつか(G1を)勝ちたい」の思いで練習と研究を重ねた結果が実った瞬間だった。

 2004年のアテネ五輪・チームスプリントで伏見俊昭と井上昌己と共に銀メダルを獲得。第1走者の長塚のダッシュ力は世界のトップレベル。その脚力は本職の競輪にも先行とまくりで生かされたが、ビッグレースの壁は厚かった。

 その間に伏見に続き井上がG1優勝、同期の加藤慎平、合志正臣もG1タイトルを獲得した。明るく冗談好きの長塚だけに重い話にはならないが、内心では「自分も勝ちたい」と思い続けていた。それが「武田さんと平原君がいるから戦法に幅を持たせる」という自在型への転向となった。

 本職の競輪と自転車競技以外では茨城県知事選挙(09年8月)に立候補、また11年4月には早大大学院に入学。今年3月の東日本大震災以降は被災地にたびたび足を運び「被災された皆さまとお話をすることで勉強ができたし、精神的にも強くなったと思う。僕にできることをやり、選手としては被災地の支援競輪で頑張る」と自分なりの思いを強めた。

 G1優勝により初めて迎えるグランプリは「武田さんと一緒に練習して武田さんとワンツーが決まるように頑張る」と武田一本で夢舞台に臨む。

 ◆長塚 智広(ながつか・ともひろ)1978年(昭53)11月28日、茨城県取手市生まれの33歳。取手一高卒。98年8月プロデビュー。通算成績は801戦249勝。通算取得賞金は3億2055万円。04年アテネ五輪チームスプリントで伏見俊昭、井上昌己とともに銀メダル。09年8月の茨城県知事選に無所属で、10年7月の参院選・茨城選挙区に民主党から立候補したが、いずれも落選。1メートル82、85キロ。血液型A。

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