【宝塚記念】超良血ルーラーシップ「完成」!

[ 2011年6月22日 06:00 ]

<宝塚記念>大きく成長し、G1獲りを狙うルーラーシップ

 今週は春のグランプリ「第52回宝塚記念」が阪神競馬場で行われる。ハイレベルと言われる4歳世代の中でも、上昇度1番といえるのが超良血馬ルーラーシップだ。前哨戦の金鯱賞を破格のレースぶりで完勝。精神面でも肉体面でも経験を積んで大きく成長した素質馬がG1獲りに王手をかけた。

 超良血ルーラーシップがいよいよ「完成」の域に入った。96年オークス、97年天皇賞秋を制した母エアグルーヴに、父は04年NHKマイルC、ダービーを制したキングカメハメハ。夢配合の結晶が狙い澄ましてのG1獲りだ。

 デビュー当初から期待は大きかったが、若さを見せて取りこぼす競馬もあった。それでも何とかダービー(5着)まで駒を進めた。鈴木助手は「あの血統で我の強いところがあった」と当時を振り返る。

 そこから半年間の休養が大きな転機となった。初戦の鳴尾記念を後の天皇賞馬ヒルノダムールを破って快勝すると、年明け初戦の日経新春杯でもまたもやヒルノを2馬身突き放して優勝した。それもヒルノより0・5キロ重いハンデを背負ってのものだけに素質開花といっていいものだった。

 「競馬を見ていても、折り合いがつきやすくなっているし、競馬を覚えてきたね。今では馬房でもメチャメチャおとなしいし、扱いやすくなった」

 今春には僚馬ヴィクトワールピサと共にドバイ遠征を経験。挑戦したシーマクラシックは力を出し切れず6着に敗れた。一方、ヴィクトワールピサは世界最高峰のドバイワールドCを制覇。一気に差をつけられた印象を与えたが、レース後、角居師は「勝つとしたらルーラーの方だと思っていた」と吐露するほど、その素質を評価している。

 帰国後の初戦の金鯱賞は圧巻の走り。落馬寸前の出遅れから巻き返し、大外から早めに動いて、余力たっぷりの完勝劇だった。手綱を取った福永が思わず一言で「凄い馬」と評したほど。

 鈴木助手は「中間はゲート練習をしたが問題なかった。仕上がり途上だった前走を使った効果は十分。世代のトップに立てるだけの資格はあるし、厩舎的にもそのステージに上がってほしい」と上積みを強調した。

 話題先行の超良血馬が、その血統に見合う勲章をつかむときが刻一刻と近づいてきた。

続きを表示

2011年6月22日のニュース