キッツ調教助手 去年の“悔しい”表情に復活V確信(2)

[ 2011年5月16日 08:01 ]

 【ウマドル・桜井聖良がマイネルキッツ担当の奥村調教助手に聞く】

 ――長期休み明け初戦の日経賞はどのように見ていますか?

 奥村「手前みそになってしまいますが、思ったとおりのレースで、次にいい感じに繋がる内容でした。まだスイッチが入っていない感じはありましたね」

 ――そして天皇賞・春に向けての調教が進み、追い切りではトゥザグローリーと併せ馬をされましたよね。

 奥村「あれでキッツは一変しました。目つきも変わってピリッとした。その前もクッションのいい高級セダンのようなふわっとしてやわらかい乗り心地だったのですが、あの追い切り後は、一本ピシッと芯が通って、スポーツカーのようになりました。いくぞ!と言えばビューンと突き抜けるような」

 ――もうキッツは8歳だから衰えているとの声もありますが。

 奥村「すごくやわらかくて、とても8歳とは思えない馬体ですよ、衰えもありませんし、パフォーマンスも落ちていません。むしろ長期休養明けからは今までにないほどやわらかくなってきています。8歳とは思えない馬体だけど、8歳には変わりはない。だからケアを怠らないようにしています」

 ――次走は目黒記念だそうですが、どのように調整されていますか?

 奥村「見た目はフレッシュですが、やはり年齢は年齢。見えない疲れも考え、1週間はリフレッシュを中心に調整しています」

 ――では去年からキッツのファンの方は増えたと思うので、そのファンのみなさまへ何かコメントはありますか?

 奥村「今回でファンは減ったんじゃないの?(笑)」

 ――(笑)そんなことはないですよ。ぜひ一言。

 奥村「キッツにはまだスイッチがあると思ってます。今まで見せたことのないあの悔しい表情を去年の天皇賞・春で見た僕としては、絶対にまたどこかで勝つ!そう確信しました。ぜひ見ててください」

 長期放牧明け、8歳という年齢を懸念されていたマイネルキッツ。そんな心配の声を一蹴するかのように一線で活躍を続けています。本馬場入場ではキョロキョロしたり、悔しさのあまり今まで見せなかった表情を見せたりと全てに素直に生きているキッツの 「俺、やったぜ!」という自慢げな顔を見る日も、そう遠くないのかもしれません。(馬バカのウマドル 桜井聖良)

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2011年5月16日のニュース