調教助手が振り返る 最強世代ダービー馬“意地の2着”(1)

[ 2011年5月7日 08:40 ]

大好物のニンジンを食べるエイシンフラッシュ(久保調教助手撮影)

 天皇賞・春2着エイシンフラッシュ。最強世代と呼ばれる現4歳世代のダービー馬は距離の壁を越えて、意地を見せた。藤原英昭厩舎の久保調教助手は「あんなに疲れたフラッシュは見たことがない」とレースを振り返る。ウマドル・桜井聖良が当日やレース後の様子を聞いた。

――初の距離を走り終えて帰ってきたフラッシュはどんな状態でしたか?

 久保「戻ってきたときはもうヘロヘロで、鞍を外すときに馬がフラつくほどでした。口も切れて、泥がハナにも口にもかなり入り、息苦しかったのもあると思いますが、あんなに疲れたフラッシュは見たことがありません」

――普段はあまり疲れないお馬さんと聞いています。

 久保「普段はどんなに早い時計を出してもケロッとしてるんですよ。ダービーでは少し疲れていたもののすぐに息が入っていましたし。今回は、フラつくほど疲れていたのに頑張った姿を見たときに思わず涙が出そうになりました」

――直線でこれはフラッシュいける!と思ったのですが。

 久保「直線向いて勢いもあったし、勝った!と思いました。しかしなぜかヒルノダムールに寄ってしまい、そのことでダムールにスイッチが入ってしまいましたね。残念です」

――今のフラッシュの疲れはいかがですか?

 久保「日曜日(1日)に獣医さんに診てもらった時は、“回復に時間がかかりそうだなぁ”と言われていたのですが、水曜日(4日)に診てもらった時には『心肺機能が本当に高いね!すごい回復力だよ』と言っていただけました。この先、どこに使うかはっきりしていませんが、このままうまく調整していきたいですね」

――それにしても、天皇賞・春出走にはびっくりしました!

 久保「我々も元々は1週間程、放牧に出す予定だったのが急きょ出走が決まり、急ピッチではありましたが出来る限り仕上がるようにと頑張りました。馬もそれに答えてくれて、順調に出走まで持っていくことができましたね」

――大阪杯では59キロという斤量を背負っていましたが、疲れなどは大丈夫だったのでしょうか?

 久保「斤量と馬場が固いこともあり、正直心配だったんですけどね、意外にもフラッシュは疲れていませんでしたよ。その後の1週間はリフレッシュができるように、プールを中心に調整したのがよかったようで、しっかり気持ちを切り替えてくれましたね」

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2011年5月7日のニュース