【桜花賞】“三拍子”きっちり!ホエール上り調子

[ 2011年4月5日 06:00 ]

レーヴディソールのリタイアで、ヒロイン候補になったホエールキャプチャ

 無敗の2歳女王レーヴディソールの戦線離脱で、1強ムードが一転。混戦模様となった今年の桜花賞を制するのは…。

 全休日の月曜朝、洗い場に立つホエールキャプチャの瞳は澄みわたっていた。時に前肢をかき込んだり、体を揺らしたりする様子を蛯名厩務員は頼もしげに見つめていた。

 「さっきも脅かされているんだよ。あれくらいの元気がないと。週末あたりから良くなってきた。元気のなくなった時期があったんだけどまた立ち直った」

 3日日曜の坂路調教は「同じ15~15(1F15秒の調教)でも全然違う。すごく良くなっている」と感じたほど。桜本番を前に、待ってましたとばかりの急上昇を見せている。

 昨年の阪神JF2着時に続き、早め栗東入りでの調整だ。1週前は坂路4F52秒0~11秒7の猛時計をマーク。そのタフさには、キャリア44年を誇るベテラン厩務員も舌を巻く。

 「毎度与えたものは全部食べます。調教の後はキッチリ水を飲むし、キッチリ寝る。見事だよ。三拍子そろって。こんなのは今まで牝馬を160頭ぐらいやって3頭だけだね」

 残る担当馬2頭はリワードアンセル(00年阪神3歳牝馬S3着)と70年の桜花賞馬タマミだと言う。クイーンCと桜花賞の両方を制したのはタマミと76年テイタニヤの2頭のみ。「3頭目になんなきゃダメだね」と笑顔を見せた。今秋に定年を迎える熟練の腕に力が入る。1強とみられたレーヴディソールの故障、戦線離脱によってV最短の呼び声も高い。この声には「藤沢さんのところ(ダンスファンタジア)は強いよ」と切り返した。そして蛯名厩務員はこう続けた。

 「ただ、今の阪神はあの馬(ダンス)向きの速い時計にはならないでしょう。コイツ向きの時計になると思うよ」

 タフでしぶとい脚質は今の阪神向き。混戦ムードを一気にのみ込むことも十分可能だ。

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