【高松宮記念】キンシャサノキセキ初の連覇へ“円熟デモ”

[ 2011年3月24日 06:00 ]

Wコースを単走で追い切るキンシャサノキセキ

 春のスプリント王決定戦「第41回高松宮記念」の最終追い切りが美浦トレセンで行われた。昨年の覇者キンシャサノキセキが貫禄の走りを披露。今年8歳の古豪だが、力の衰えはみじんも感じられない。史上初の高松宮記念連覇へ万全の態勢で臨む。

 史上初の連覇を狙うキンシャサノキセキは“静”に徹した最終調整。オーシャンS(2着)から中2週とレース間隔が詰まっており、関西へ輸送もあることを考慮し、Wコース単走で追い切られた。橋本助手を背に5Fからゆったりとスタートし、3コーナー手前から徐々にペースアップ。最後まで鞍上の手綱はピクリとも動かなかったが、青いチークピーシーズを躍動させ、軽快にゴール板を駆け抜けた。

 「きょうは息を整える程度の調整。これで力を出せると思う」。細心の注意を払った追い切りを無事に終え、橋本助手はホッとした表情を浮かべた。前半の緩いペースにも力まず、鞍上との息はピタリ。年齢を重ねたことで、激しい気性をうまくコントロールできるようになってきた印象だ。

 今年の始動戦となった前走・オーシャンSは59キロを背負って後方に置かれながら、メンバー中最速の上がり3F33秒4で猛追して2着。敗れたとはいえ、G1ホースの底力を十分に見せつけた。結果的に休み明けできつい競馬を強いられたが、橋本助手は「疲れは見えなかったが、目に見えないものがあるかもしれないので慎重に回復させた。今はフレッシュな状態」と反動がないことを確約した。

 今年は中京の改修工事で舞台が阪神に替わるが、09、10年の阪神C(芝1400メートル)を連覇中のキンシャサにはむしろ有利。「昨年は3連勝中で負けられないプレッシャーみたいなものがあったが、今年は初戦で負けたし、もうG1も勝っている。いい意味でリラックスして臨める」と力を込める。

 8歳を迎えても衰えどころか、今がピークと思わせる充実ぶり。「若くて元気のいい馬もいるけどオジサンパワーで頑張ってほしい」。名スプリンターとして完成の域に達した現役王者が、若き挑戦者たちの前に立ちはだかる。

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2011年3月24日のニュース