ディープスカイ引退…ダーレーJで種牡馬入りへ

[ 2009年8月20日 06:00 ]

札幌競馬場の事務所会議室でディープスカイの引退会見をする昆貢調教師

 昨年のダービーとNHKマイルCを制したディープスカイ(牡4=昆)が左前浅屈腱炎のため、現役を引退することが決まった。昆師が19日、札幌競馬場で会見を開いて発表した。通算17戦5勝(重賞4勝)。引退式は30日に札幌競馬場で行う方向で調整中。今後は種牡馬となる予定で、6月に急死したアグネスタキオンの後継種牡馬としての活躍が期待される。

 会見に臨んだ昆師は、用意されたペットボトルのお茶で口を湿らせると「ディープスカイの引退が間違いなく決まりました」と報告を始めた。表情には無念さがありあり。「秋のステージはディープスカイにとって得意なステージだった。秋からじっくり行こうと思っていたので、残念です」と声を絞り出した。
 ディープスカイに異変が生じたのは今月上旬だった。秋初戦に予定していた毎日王冠に向けて8日に函館競馬場に入厩。昆師は、その2、3日前に放牧先のファンタストクラブから左前脚に熱を持っていると報告を受けていた。12日に検査を行った結果、損傷率11%の屈腱炎と診断された。全治9~12カ月と復帰も不可能ではなかったが、オーナーらとの協議の末に引退が決定。昆師は「普通の条件馬なら復活させられるが、アグネスタキオンの急死で後継種牡馬としての期待も大きいので、無理はできない」と説明した。
 ディープスカイは07年10月にデビュー。初勝利まで6戦を要したが、毎日杯で2勝目を挙げると、500キロを超える雄大な馬体から繰り出される破壊力抜群の末脚を武器にNHKマイルC、ダービーも連勝して変則2冠を達成。昨秋以降はG1で2着2回、3着2回と勝ち切れなかったものの、G1戦線の主役として安定した成績を残した。6月の宝塚記念(3着)がラストレース。昆師は「宝塚記念後も全く不安なく放牧に出せ、いい休養になると思っていたが、G1の疲れが残っていたのかな。限界が来ていたのかなという感じ」と愛馬を思いやった。
 昆師は「ダーレーから話が来ていると聞いている」と話し、今後はダーレー・ジャパンで種牡馬となる公算が大。11歳の若さで他界したアグネスタキオンの後継としての重責を担うことになる。「大レースでの強さを受け継いで、いい産駒を出してほしい。子供で同じことをするのが僕の目標になる」。話題が2世に及ぶと、ようやく昆師の表情が少しだけ和らいだ。

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2009年8月20日のニュース