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牧太郎のおけら街道トキの声

ご愛読感謝!しばらく「旅」に出ます

「おけら街道」といえば中山のそばのイメージでした…
Photo By スポニチ

 脳卒中で倒れて半身不随になった頃、ヘンな青年が病室に訪ねてきた。16年ぐらい前のことだ。「ぜひ、競馬コラムを書いてください」。月刊誌「競馬最強の法則」の編集者だという。(後で分かったことだが、彼は家代々、お岩さまを祭る「四谷稲荷」の神主。競馬好きが高じて競馬雑誌の編集者になり、現在は神主兼グリーンチャンネル放送作家である)

 脳卒中の後遺症を理由にサンデー毎日編集長を更迭された直後。もしかすると失業するかもしれない。

 「退院したら必ず書く」と約束したのは“メシの種”を確保する魂胆だった。

 これが意外に好評で「スポニチで書け!」と当時のスポニチ編集局長・小西良太郎さんに誘われた。美空ひばりをはじめ芸能界に特異な人脈を持つ大先輩。ご好意に甘え、「おけら街道トキの声」は93年9月10日スタートした。

 第1回では、中山のおけら街道で、まだ健在?だった「もやしがえし」のことを書いた。3個のタバコのうち、1個に印を付け、何度も何度も入れ返して、印のタバコを当てる「でんすけ賭博」。3分の1の確率だから当たって良いハズだが、それが当たらない。モヤシのマジック?そんな「おけら街道」の風景を書くことから始めた。

 突然、思い出話をしたのには理由がある。今回で休載しなくてはならないからだ。競馬法の改正でJRAに対する農林大臣の関与、規制が大幅に減った。結構なことだが、そのJRAの経営委員会が生まれた。

 トヨタ自動車相談役の奥田さんらに交じって、農水省の悪口を書いていた小生が、なぜか、その経営委員に任命されてしまった。

 4日、初会合に出席して、この仕事の重みを痛感した。勉強もしなければならない。経営委員として知り得たことを書くわけにはいかない。だからと言って、生きの悪いネタを書き続けるのは江戸っ子の沽券(こけん)にかかわる。「おけら街道」はわがライフワークと思っていたが…悩み抜き「休載」を決意した。

 長い間、こんな出来の悪いコラムに付き合ってくれた皆さん。ありがとう。

 しばらく「旅」に出ます。寂しいです。どうか、皆さま、今まで通り、スポニチ競馬面をご愛顧のほど、隅から隅までオン願い奉〜る。=終わり=

 (牧さんの社会派コラムは毎日新聞「大きな声では言えないが」、サンデー毎日「青い空白い雲」、TBSラジオ日曜午前7時半「牧太郎のザ・コラム」、それにブログ「牧太郎の二代目日本魁新聞社」で読めます)

[ 2007年09月05日 00:54]

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