MBS大吉洋平アナウンサーの「温泉書き流し」

大阪府能勢町「山空海温泉」 都会からほど近い“秘湯”

[ 2018年1月24日 05:30 ]

山空海温泉の外観
Photo By スポニチ

 関西の温泉ソムリエ達に大阪の秘湯はと聞けばおそらく大半が口にするものの、実はあまり知られたくないと内心思っているのが山空海温泉です。私も秘密にしておきたい近場のオアシスなのですが、今回は新年1発目。特別大サービスの思いで書き流します。

 大阪市内中心部から車で約1時間。能勢町にある田尻川沿いの府道を進むと対岸に温泉マークが見えてきます。鹿や猪が出没する山間に突如現れるひなびた湯治場はまるで誰もいない古い農機具小屋のようで、最初は入るのに、ちゅうちょするかもしれません。中には熱め、ぬるめの2つの内湯に加えて冷鉱泉と呼ばれる冷たい源泉が注がれる小さな水風呂があります。

 全てが源泉かけ流し。これを何度もローテーションしながらゆっくり時を過ごすのが私のお勧めです。お湯はもちろんですが、水風呂にまで硫黄成分がたっぷり入っているなんて温泉ファンにとってはこの上ない喜びです。贅沢な天然の温冷交換浴が可能です。

 私は山空海温泉に広がる、良い意味での色褪せた空気も大好きです。都会からそれほど遠くはないのに、ここへ来ると日本の果ての温泉郷に辿り着いたような、とても解放された気分になれます。6月には周辺をたくさんの蛍が飛び交います。木々を照らす無数の光は、1人で温泉を管理するご主人曰く夏のクリスマスツリーなのだとか。

 ◆山空海温泉メモ 大阪府能勢町下田尻801、(電)090(7887)0995。料金は大人700円(駐車料金は100円)など。営業時間は月〜水曜が午前10時〜午後5時、土曜は午前10時〜午後6時、日祝は午前8時〜午後6時(10〜3月、4〜9月は終了が1時間ずつ遅くなる)。木、金陽は定休日。

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