北翔海莉 次の扉を開ける土台できた

[ 2016年9月11日 05:30 ]

「安心してバトンタッチできます」と後輩に託した北翔海莉
Photo By スポニチ

 星組トップスター北翔海莉のサヨナラ公演「桜華に舞え」(10月3日まで宝塚大劇場、東京公演は10月21日~11月20日)は、「義」を重んじ西郷隆盛とともに散った桐野利秋の半生を描いた力作。潔く舞台で果てるラストはサヨナラ公演らしいと評判だ。2部のレビュー「ロマンス!!」はパステル調の衣装といい構成といい、王道の豪華レビュー。どちらも“伝統的な宝塚らしさ”が光っている。

 しかし、北翔が歩んできた道は決して順当なものではなかった。月組、宙組から専科に渡り、そこから星組に異動し即トップスターに就任。近年ない異例の人事、しかも、約6年もの間組を率いた柚希礼音の後任とあれば、戸惑わずにはいられなかったという。「音楽学校から21年。本当にいい修業をさせていただいた」と振り返った宝塚生活。苦しかったことも多かっただろうが「出会うべき人に出会い、学ぶべきものも納得できる学び方ができた。安心して後輩にバトンタッチできるし、私は次の扉を開ける土台ができた」と、その表情は自信に満ちている。退団後は「お客さんに喜んでもらえるエンターテイナーとしてはやっていきたい」と明かした北翔。全力でサヨナラ公演にかけた後の、この第2章にも注目したい。(土谷 美樹)

 ★北翔 海莉(ほくしょう・かいり)3月19日、千葉県松戸市出身。同市二中を経て98年初舞台。月組配属。06年宙組へ組替え。三拍子そろったスターとして活躍したが12年に専科入り。各組の大作を支え全組出演制覇を果たした。ドライブ好きが高じ大型自動車、けん引車の免許も持っている。昨年5月、星組トップスターに。身長1メートル69。愛称「みっちゃん」。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る