一路真輝 月影先生役「ターニングポイント」に

[ 2016年8月29日 05:30 ]

独特のヘアスタイルにもこだわった月影千草
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 元雪組トップスター・一路真輝(51)が“伝説の大女優”月影千草を演じる「ガラスの仮面」が9月1日、大阪・松竹座で開幕する(11日まで。東京は同16~26日=新橋演舞場)。

 1976年から現在も連載が続く美内すずえ氏の同タイトルコミックが原作。月影が見いだした天才少女・北島マヤ(貫地谷しほり)が成長する姿を描く名作で、同じ主要キャストで14年に舞台化された。今回は新たなエピソードを盛り込んでの再演で、一路は「キリッとした男役としてのキャリアも生かし、自分の経験をつぎ込んだ作品で、ある意味自分のターニングポイントにもなった」と思い入れは深い。

 実は初演の時、役作りに迷っていた。「私にはまだ元大女優なんて早いんじゃないか?と」。しかし、当時すでに宝塚の初舞台から30年を過ぎていた。ある演出家から「そのままやればいいんじゃないですか?」とあっけらかんと言われたことに吹っ切れたという。常に厳しい9歳の一人娘からも「合格点をもらってる作品。彼女は一番の批評家なのでうれしい」と目を細める。

 宝塚を退団し20年。サヨナラ公演は「エリザベート」だった。今や演劇界の代表作を日本で初めて演じたのが一路だ。当時“死”をトップスターにやらせていいのか?など賛否両論あった。一路は「だからこそ逆にめちゃくちゃ頑張れた。あの成功は奇跡であり誇り」と話す。その後もさまざまなキャリアを自信に変え、輝きを増している。 (土谷 美樹)

 ★一路 真輝(いちろ・まき)本名・石川いづみ。1965年(昭40)1月9日、愛知県生まれ。82年に初舞台を踏み、下級生のころから抜てきが続き93年、雪組トップスターに。96年「エリザベート」で退団し、同年「王様と私」のアンナで女優としてのキャリアをスタートさせ、その後は舞台を中心に「渡る世間は鬼ばかり」などテレビドラマでも活躍。

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