実咲凜音 強い役「神様のプレゼント」

[ 2016年8月2日 05:30 ]

憧れの役で「自分の壁を越えたい」と語る実咲凜音
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 兵庫・宝塚大劇場で上演中の「エリザベート」(8月22日まで、東京公演は9月9日~10月16日まで)でタイトルロールを演じる宙組トップ娘役、実咲凜音。活発だった幼少期から、ハプスブルク家のしきたりに悩み暗殺される60歳までの一代記を微妙に変わっていく心の変化とともに熱演している。

 憧れ続けた役だった。しかし、いざ演じるとなると「時間がたつにつれ責任感を感じるようになり、歌ひとつにしても“大劇場で歌うと気持ちいいだろうな”と思っていたけど実際は全然違う」と戸惑いばかり。エリザベートに扮したポスターを見ても「自分じゃないみたい」と長い間実感が湧かなかったという。

 この役はいわゆる“宝塚の娘役”に求められるかれんさとは違う。「エリザベートって娘役からしたら、違和感のある強さがあるんですよね。“宝塚の娘役としてここまで強くやっていいのだろうか?”と思ったり。その中でも自分らしさも出したいし」と話す。

 下級生のころから大役を演じてきた。「こうあるべき、と固まりそうになっている自分がいたので、今の自分の壁を越えたい。この役は神様がくれたプレゼント。敵は自分の中にいる感じです」。ずっと優等生だった実咲がもがいた先に、新たなエリザベート像があった。(土谷 美樹)

 ★実咲 凜音(みさき・りおん)7月5日、神戸市出身。兵庫県立須磨友が丘高を経て09年初舞台。花組配属。翌年「麗しのサブリナ」で新人公演初ヒロイン。11年には映画「阪急電車 片道15分の奇跡」にも出演した。12年5月、宙組に組替えとなり前トップ凰稀かなめの相手役としてトップ娘役に。身長1メートル63。愛称「みりおん」。

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