紫藤りゅう 初主演抜てき「努力信じてぶつかる」

[ 2016年4月2日 05:30 ]

「こうもり」で新人公演初主演に抜擢された紫藤りゅう
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 星組男役ホープ、紫藤りゅうが5日、兵庫・宝塚で行われる「こうもり」の新人公演で初主演を果たした(東京公演は5月26日)。柔和な笑顔と、どんな質問にも丁寧に答える姿が印象的だ。入団7年目、新人公演最後の年での抜てき。紫藤は「この役を頂けたことが本当にうれしくて。入団してから無我夢中に走ってきた今のすべてを出したい」と初々しくも決意を新たにした。

 オペレッタを元にした作品だが「実は歌が苦手で…」と消え入るような声で明かした紫藤。1メートル74の恵まれた体格を生かしたダンスが得意だが、本人いわく歌は発声からどうも苦手。劇団随一の歌唱力を誇るトップスター北翔海莉の役を演じるとあっては、不安は尽きないが北翔からは「最初はモノマネをしてごらん」とアドバイスをもらい、今は“耳で盗む”ことに必死だ。

 初めて見た宝塚歌劇「パリの空よりも高く」(07年)に心を奪われた。特に男役の群舞がたまらなかった。入団後は理想の男役像に近づけずに悩んだ時期もあったが「努力したことは必ず実る」と父が言ってくれたことを信じもがき続けた。「初主演は不安いっぱいですが、自分の努力を信じてぶつかりたい」。新たなスター誕生の瞬間が楽しみだ。(土谷 美樹)

 ★紫藤(しどう)りゅう 5月5日、東京都生まれ。大妻高を経て10年「THE SCARLET PIMPERNEL」で初舞台。星組配属。その年の阪急・阪神電鉄初詣ポスターのモデルを務めた。身長1メートル74。愛称「るりこ」。

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