珠城りょう(上)誠実さと悪の象徴 巧みに演じ分け

[ 2018年2月10日 05:30 ]

ショーへの意気込みを語る珠城りょう
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 月組トップスターが、芝居とショーで“善悪”を演じ分ける「カンパニー/BADDY」が9日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(3月12日まで。東京宝塚劇場は3月30日〜5月6日)。第1部では出向でバレエ界に飛び込むことになった誠実なサラリーマン役。2部のショーでは、ヘビースモーカーで“悪の象徴”として大暴れ。珠城は「トップになると悪役をさせていただく機会がほとんどないので、凄いうれしい。コミカルな部分もあって、大真面目にふざけてやりたい。お芝居からの振れ幅が恐ろしいですよ」と笑った。

 劇団史上初めて、女性演出家がショーを手掛けることでも話題の作品。

「世界観がぶっ飛んでいて、挑戦の連続。技術的に難しいことを取り入れているのではなく、原点に帰ったような簡単に見える振り付けで美しく見せる。より男役度、娘役度が問われると思います」と表情を引き締めた。

 入団9年目と、異例の早さでトップに就いた珠城も2年目に突入。若さを前面に出した作品作りで、組も勢いに乗っている。「稽古場でもみんなが楽しそうにやってるのがうれしい。下級生には周りの顔色を気にせず、思う存分やってほしい」と期待する。自身が下級生だったころ、抜てきされることが多く稽古場でも「変なことやって笑われたらいやだな」と萎縮することも少なくなかった。「恥ずかしい、って思わせないように、今は私が率先して恥をかく、じゃないけど自分をさらけ出す。そんな雰囲気づくりを心掛けてます」。リーダーとしても頼もしい限りだ。(土谷 美樹)

 ◆珠城(たまき)りょう 10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。16年9月、トップスターに。入団9年目でのトップ就任は7年目での天海祐希に次ぐスピード出世だった。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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