明日海りお(上) 細部までこだわり抜いた胸張る一本「見て後悔させません」

[ 2018年1月22日 14:00 ]

永遠の美少年役に細部までこだわったという明日海りお
Photo By スポニチ

 花組トップスター・明日海りおが絶世の美少年を演じるミュージカル「ポーの一族」が、宝塚大劇場で上演中だ(2月5日まで。東京宝塚劇場は2月16日〜3月25日)。

 萩尾望都さん原作のコミックを初めて舞台化したもので、永遠の命を与えられた少年エドガー(明日海)とその一族の数奇な運命を描く大作。漫画が原作とあって見た目へのこだわりは、相当なものだった。印象的なショートの巻き毛、吸い込まれそうな濃いブルーの瞳…。「メーク、カツラ、衣装とのバランス。自分の顔、ピンスポットに当たった時の色合い。ポスター撮影の時から本当にこだわりました」。

 脚本、演出は「エリザベート」などで知られるヒットメーカー・小池修一郎氏。きめ細かく、しつこいまでのこだわりが有名で、しかも今回は小池氏が30年以上懇願し続けて舞台化にこぎつけた。しかし、今回明日海への注文はほとんどなかったという。「確かにポスター撮影の時はかなり注文があったんですけど、いざ稽古に入ると、こちらがいろいろ質問しても“そんなに心配しなくて大丈夫”って、なぜか確信を持ってくださってて。逆にすごく不安だったんですけど」。

 果たして、その答えは舞台にあった。まさに劇画から飛び出たようないでたち。絶世の美少年でありながら、永遠の命を得たことで逆に「虚無感」を携えた表情…。いつもは控えめな明日海が「見て後悔はさせません」と胸を張る1本。トップになってもなお、高みを目指す彼女の新たな一面が見えた。(土谷 美樹)

 ◆明日海(あすみ)りお 6月26日、静岡県生まれ。静岡雙葉中を経て03年初舞台。月組に配属。08年「ME AND MY GIRL」で新人公演初主演。12年「ロミオとジュリエット」ではトップスター龍真咲とロミオを役替わりで演じ13年3月、花組へ。翌年5月トップ就任。身長1メートル69。愛称「みりお」。

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