望海風斗(上)恐怖政治の役から学ぶ新トップ

[ 2017年11月16日 16:20 ]

雪組の新トップスターとして意気込みを語る望海風斗
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 雪組新トップスター望海風斗(のぞみ・ふうと)の大劇場お披露目公演「ひかりふる路(みち)/SUPER VOYAGER!」が10日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(12月15日まで。東京宝塚劇場は来年1月2日〜2月11日)。

 フランス革命を多く題材にする宝塚では“敵役”として登場するロベスピエールの半生を描いた新作ミュージカル。望海も「最初は不安でしたが、彼が最初に掲げていた高い理想や、どうして恐怖政治に陥ったのかを丁寧に描けば違和感はない。自分のお披露目公演というより、この作品をどう作り上げようか、ということで頭がいっぱいでした」と明かす。

 さらに、トップに上り詰めた自身の立場に置き換え「これまで上を目指してやっていく姿はとても似てるな、と。ただ、これから恐怖政治にならないように私も周囲を見ないと(笑い)。そういう意味でも彼から学ぶことはたくさんありますよ」と笑わせた。

 「スカーレット・ピンパーネル」などで知られる作曲家、フランク・ワイルドホーン氏が全曲書き下ろした注目作。舞台では望海とトップ娘役、真彩希帆(まあや・きほ)の高い歌唱力、細かな役作りで客席をぐっと引き込んだ。

 専科スター、轟悠からは「若手のころから男役の色気があった」と絶賛されるほど、ダンスで見せる表情もファンをくぎ付けにする。歌、ダンス、芝居。どれをとっても高いレベルで三拍子そろった新トップが、力強く船出した。(土谷 美樹)

 ◆望海 風斗(のぞみ・ふうと)10月19日、横浜市生まれ。法政女高を経て03年初舞台。花組配属。09年「太王四神記」で新人公演初主演。10年の「虞美人」では娘役も演じた。12年「Victorian Jazz」でバウホール初主演。14年11月、雪組に組替え。今年7月、早霧せいなの退団に伴いトップ就任。身長1メートル69。愛称「だいもん」。

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