轟悠 “新境地”笑いの中で後輩に示す可能性

[ 2017年11月6日 18:30 ]

コメディーに挑戦。「自分が客席で見たい」と話す轟悠
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 専科スター轟悠が珍しくコメディーに挑む「神家(こうや)の七人」が13日、兵庫・宝塚バウホールで開幕する(25日まで)。

 第2次世界大戦で欧州戦線を生き抜いた心優しい青年が、故郷に帰ってみると父が亡くなっていた。大実業家だと思っていた父が実はマフィアのボスで…というドタバタ喜劇。轟が「初めて台本を読んだ時、笑って笑って最後は泣いた。私が客席で見たいと思いますもん」と胸を張る一本だ。

 轟と言えば「風と共に去りぬ」のレット・バトラーに代表されるように“シビれるほどの男役”が代名詞だが「こんな役、記憶にない」というほどコミカルな役。勝手の違う役作りかと思いきや「毎日、おなか抱えて笑ってます。笑いが絶えない稽古場で“何でも来い”の専科メンバーに下級生も負けじと遠慮なくやってくれるので、頼もしい」と表情も柔らかい。

 轟をはじめ汝鳥伶(なとり・れい)、華形ひかるら芝居巧者の専科に月組の若手がタッグを組む異例の座組み。「下級生たちは大変だと思いますが、諦めたら、全てが終わりだから。自分の可能性を信じてあげられる自分になって。今回はきっと、彼女たちも手応えをつかんでくれると思う」とエールを送った。 (土谷 美樹)

 ◆轟 悠(とどろき・ゆう)8月11日、熊本県生まれ。人吉市立第一中を経て85年初舞台。月組に配属され88年、雪組に異動となり97年7月、トップスターに。代表作の筆頭に挙げられる「風と共に去りぬ」のレット・バトラーは足かけ12年の間に5度演じている。02年2月、専科に入り翌年劇団理事に就任。身長1メートル68。愛称「イシサン」。

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