安蘭けい 2役を演じた感覚「極上の喜び」

[ 2017年10月31日 09:00 ]

「スカーレット・ピンパーネル」との深い縁に「極上の幸せ」と話す安蘭けい
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 元星組トップスターで女優の安蘭けい(47)が「深い縁を感じる」と話すミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」が11月13日、大阪・梅田芸術劇場で再演の幕を開ける(15日まで。20日〜12月5日=東京・TBS赤坂ACTシアター)。

 トップ時代、「海外ミュージカルをやれれば宝塚を辞めてもいい」と思っていた08年、同作の日本初演が自分の組に回ってきた。抜群の歌唱力で勧善懲悪を体現する英国貴族パーシー。「これで宝塚の安蘭けいが出来上がった」と話すほどのめり込み、ファンも熱狂した。

 それから8年後の昨年、女優になって再び巡り合った「スカーレット…」。もちろん今度はヒロイン・マルグリットでの上演だが「パーシーの気持ちも分かるから、役を作っていると不思議な感覚がある。でもそれは極上の喜び」と胸を張る。

 今年3月、その「スカーレット…」が宝塚の星組で再び上演された。安蘭がトップ時代、新人公演で1度だけ主演した紅ゆずるが、今度はトップお披露目として演じていた。「懐かしいのと、紅が上り詰めたというサクセスストーリーが感動で号泣してました」

 宝塚を辞めた当時、実は「元宝塚」と言われることに抵抗があった。「ゼロからやりたいと思っていたし、宝塚は“人生の通過点”と強がっていたから。でも退団から8年たって、宝塚での時間があったからこそ、私があるんだと言えるようになってきた」。多方面で活躍するOGの姿も刺激になっている。「私もそういう一人にぜひなりたい」。再演でもますますの高みを目指し安蘭の挑戦は続く。 (土谷 美樹)

 ◆安蘭(あらん)けい 本名・安田瞳子。1970年(昭45)10月9日、滋賀県生まれの47歳。91年、宝塚歌劇団に首席入団し雪組に配属。下級生のころから歌唱力に定評があり、00年星組に組替えを経て06年トップスター就任。09年4月、退団。同年8月「AIDA」のヒロインで女優デビュー。

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