紅ゆずる(上) 「個性ないならつくれ」集団を鼓舞

[ 2017年9月26日 12:30 ]

「組全体が凄く意欲的」と星組の雰囲気に目を細める紅ゆずる
Photo By スポニチ

 星組トップスター紅ゆずるの、トップ就任後初のオリジナル「ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA」が29日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する(11月6日まで。東京宝塚劇場は11月24日〜12月24日)。

 無声映画からトーキーへと変わろうとする時代のドイツを舞台に、ナチスの圧力と闘いながらも映画作りに情熱を燃やす男の物語。「映画と舞台。作るという点では似ているし、私なら“自分たちの作りたいモノが作れない”となったら耐えられないと思うので、そういう気持ちを大事に演じたい」と共感する。

 大劇場でのお披露目公演「スカーレットピンパーネル」は連日超満員だった。その勢いに乗って今回の初オリジナルも成功させたいところ。「再演は再演なりの難しさがあるけれど、オリジナルは全部難しい。私って稽古でも本当にしつこいんです(笑い)。そこを生かしてお客さまに分かりやすい作品作りにしたい」とこだわりをのぞかせる。

 下級生時代、決して優等生ではなかった。だからこそ「個性が大事」が信条。自分も「当たって砕けてもやり続けて」トップへの階段を上ってきた。今も組の皆には「個性がないならつくれ!」と鼓舞し続けているという。「だからなのか、皆凄く意欲的で頼もしい」。自分のことだけにガムシャラだった時代から、組全体を見渡し個性豊かな星組カラーをつくり上げる意欲的なリーダーになった。紅率いる星組の勢いは止まりそうにない。 (土谷 美樹)

 ◆紅(くれない)ゆずる 8月17日、大阪市生まれ。東大谷高を経て02年初舞台。星組配属。08年、入団7年目のラストチャンスに「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。その時の華やかさが話題になり、一気に若手スターとして注目の存在に。11年「メイちゃんの執事」でバウホール初主演。昨年11月、トップスター就任。身長1メートル73。愛称「さゆみ」。

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