珠城りょう 若さ“逆手”に新しいトップ像

[ 2017年7月10日 19:00 ]

「組の頂点でも真ん中にいるようなトップでありたい」と話す珠城りょう
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 入団9年目と、天海祐希の7年目に次ぐ史上2番目の早さで月組トップスターに就任した珠城りょう。大劇場2作目の話題作「All for One〜ダルタニアンと太陽王〜」が14日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する(8月14日まで。東京宝塚劇場は9月1日〜10月8日)。

 デュマの名作「三銃士」を基にしたオリジナルの娯楽大作。高い運動能力と恵まれた体格の珠城が見せる立ち回りも見どころのひとつで「衣装も結構重い(笑い)。ただ体力には自信があるので、熱中症には気をつけて頑張りたい」と頼もしい。

 トップスターになってもうすぐ1年。ただ、若いだけに「理想のトップ像を描く前になってしまった」という。自分が下級生だったころは「トップさんって雲の上の存在で、声を掛けることもできなければ、凄い遠い存在だった」。そのカリスマ性も大事だが、珠城は「せっかく若い学年でこの立場になっているので、それをいい意味で利用したい」と話す。

 下級生と積極的にコミュニケーションを取り、それでいて率先して作品に没頭している姿を稽古場であえて見せる。「自分の姿を見て自然と“ついていきたい”と思ってもらえるような存在でないとダメ。組の頂点にいるけれど真ん中にいるようなトップでいたい」。若きリーダーが率いる新しい月組像が楽しみだ。(土谷 美樹)

 ◆珠城(たまき)りょう 10月4日、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。昨年9月、トップスターに。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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