轟悠 「不思議な縁」16年ぶりの舞台で12年ぶりの役

[ 2017年5月15日 06:00 ]

12年ぶりに同じ役に挑む轟悠
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 専科スター・轟悠が12年ぶりに同じ役に扮することでも話題の「長崎しぐれ坂」が、福岡・博多座で上演中(27日まで)。轟は「まさかちょうど干支(えと)が一周して同じ役をやるとは」と笑いながら「宝塚に長い間いると、こういうこともあり得るんですね」としみじみ話した。

 同作は05年、湖月わたる(45)檀れい(45)のトップコンビが率いる星組で宝塚大劇場、東京宝塚劇場と上演。当時すでに専科スターだった轟が主演として参加した。江戸末期の長崎を舞台に、大人になって全く境遇が違ってしまった幼なじみ3人の姿を描いた名作。

 当時、湖月が演じた岡っ引き・卯之助を月組新トップスター珠城りょうが演じる。轟が演じるのは卯之助に追いかけられる凶状持ちという異色の役。彼女にとっても「当時、凄く情熱を注いだ作品でした。苦労したのは所作。ヤクザでもチンピラでもいけないし、役のイメージを組み立てては壊し…」と思い出は尽きない。

 轟が博多座に乗り込むのは雪組トップスターだった「凱旋門」以来、約16年ぶり。「福岡の博多座で長崎の物語を熊本出身の私が演じる。故郷に近い場所なんで、地元の友人も“福岡なら”と見に来てくれる人もいるみたい。私自身、不思議な縁を感じながらも12年前に比べて演技の中に深みが出て当たり前ですし、新生月組とのタッグでつくり上げたい」。キャリア豊富な轟が自分自身にプレッシャーをかけ、名作再演に挑む。(土谷 美樹)

 ◆轟 悠(とどろき・ゆう)8月11日、熊本県生まれ。人吉市立第一中を経て85年初舞台。月組に配属され88年、雪組に。96年の「エリザベート」初演時に暗殺者ルキーニを熱演するなど存在感あふれる役作りで舞台を彩り、97年「真夜中のゴースト」でトップスターに。02年専科に入り翌年劇団理事に就任。身長1メートル68。愛称「イシサン」。

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