365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1989年8月】川の流れのように/通算302枚目 ロングセラーとなった美空ひばりの遺作

[ 2011年8月28日 06:00 ]

 ★89年8月ランキング★
1 太陽がいっぱい/光GENJI
2 世界でいちばん熱い夏/プリンセス・プリンセス
3 淋しい熱帯魚/Wink
4 SUMMER GAME/氷室京介
5 GLORIA/ZIGGY
6 DIVE INTO YOUR BODY/TM NETWORK
7 リゾ・ラバ/BAKUFU―SLUMP
8 CROSS TO YOU/男闘呼組
9 川の流れのように/美空ひばり
10 ヴァージン・アイズ/中山美穂
注目約束/CHA―CHA
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【川の流れのように/美空ひばり】

 “女王”美空ひばりが世を去って2カ月。通算302枚目のシングルは、日に日に売り上げを伸ばし、8月28日にオリコンチャート9位に入った。爆発的な数字ではなかったが、ジワジワと心に染みるラストシングル。リリースから丸2年かけて100万枚を突破するロングセラーになるべくしてなった名曲だ。

 作詞は秋元康。ニューヨーク在住中、カフェから見えるイーストリバーを見ながら書いた。タイトルが先に決まって、後は思うままに綴ったという。作曲は見岳章。82年にヒットした「すみれSeptember Love」を歌った元一風堂のキーボード担当だった。

 当初、アルバムの中の1曲として88年12月に発売されたが、ひばり自身がこの歌詞を気に入り、シングルでの発売を希望。既に別の曲でリリースすることが決まっていたが、ひばりの思いは強く、シングルカットされることに。発売が89年1月11日となった。1が3つ並ぶことは意識していたが、図らずも1月7日に昭和が終わり、平成元年となったために、1が4つ並ぶという珍しいケースとなった。

 ひばり不死鳥伝説ともいうべき現象が起きたのは91年。元日から流れた全日空のCMソングに起用されると、再度CDシングルの売り上げが上昇。オリコンランキングで2月に50位台に入ると、3月には発売からの累計がアルバムも含め100万枚を突破。故人としては初めてゴールドディスクが贈呈された。

 1949年(昭24)の「河童ブギ」から「川の流れのように」までシングルだけで302枚を発売。レコーディングした曲数は1400曲以上とされる。売り上げ枚数は約7000万枚。「悲しき口笛」「東京キッド」「リンゴ追分」「柔」「悲しい酒」「真赤な太陽」…。数え上げればきりがない代表作の最後を飾った「川の…」のファンは多く、今でもCDは売れ続け、カラオケで歌う人は年配者に限らず若者も多い。(敬称略)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る