【1994年８月】Ｈｅｌｌｏ，ｍｙ　ｆｒｉｅｎｄ／ユーミン「月９」に　「夏の日」の定番

　★９４年８月ランキング★
１　Ｈｅｌｌｏ，ｍｙ　ｆｒｉｅｎｄ／松任谷由実
２　こんなにそばに居るのに／ＺＡＲＤ
３　ＨＥＡＲＴ、ＮＡＴＵＲＡＬ／ＣＨＡＧＥ＆ＡＳＫＡ
４　Ｍｉｓｓ　Ｙｏｕ／今井美樹
５　ｉｎｎｏｃｅｎｔ　ｗｏｒｌｄ／Ｍｒ．Ｃｈｉｌｄｒｅｎ
６　恋しさと　せつなさと　心強さと／篠原涼子　ｗｉｔｈ　ｔ．ｋｏｍｕｒｏ
７　人間／長渕剛
８　ＢＯＹ　ＭＥＥＴＳ　ＧＩＲＬ／ＴＲＦ
９　瞳そらさないで／ＤＥＥＮ
10　早くしてよ／久宝留理子
注目ＤＲＡＳＴＩＣ　ＭＥＲＭＡＩＤ／ａｃｃｅｓｓ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【Ｈｅｌｌｏ，ｍｙ　ｆｒｉｅｎｄ／松任谷由実】

　満を持しての「月９」登場だった。“女王”松任谷由実が７月４日スタートのフジテレビの連続ドラマ「君といた夏」の主題歌「Ｈｅｌｌｏ，ｍｙ　ｆｒｉｅｎｄ」を同２７日にリリース。８月８日付のオリコンで初登場１位となった。

　ユーミンは前年の９３年、ＴＢＳドラマ「誰にも言えない」で主題歌「真夏の夜の夢」で自身初のシングル盤ミリオンセラーを記録。ドラマの高視聴率とともに、恋愛ソングのユーミンが、背筋も凍るような歌詞に、これまでのパターンとは全く違う曲調と話題となった。

　それから１年。ユーミンに出されたオファーは「恋愛ソングのスタンダードになるような楽曲を」というものだった。ドラマは大学４年の男子学生（筒井道隆）は学生生活最後の夏を後輩（いしだ壱成）と、遠縁の娘（瀬戸朝香）と一つ屋根の下で暮らすことになり、恋と友情のはざまで悩みながらも忘れられない思い出をつくり、それぞれの道を歩むというもの。ユーミンの曲がエンディングを中心に流れることで、より切なさをかもし出し、ドラマを見る者は、各々のキャラクターに感情移入し、これが視聴率にも跳ね返った。

　ユーミンがタイトルにした「Ｈｅｌｌｏ，ｍｙ　ｆｒｉｅｎｄ」には、恋人でもなく、単なる同居人でもない、深い絆を伴った、いつまでも続く友情という思いが込められていた。「離れても　胸の奥の　友達でいさせて」というフレーズは、一生一緒にいることはできないのなら、思い出でいいからそばに置いてほしいという気持ちを精いっぱい表現したもの。いじらしくて、何度聞いても胸がキュンとなる。

　スタンダードになるように、という注文は、きっちりと果たされ、ドラマは３カ月で終了しても、この曲を聴くたびにそれぞれの「あの夏の日」を思い出させてくれる。