365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1992年8月】浅い眠り/難攻不落の中島みゆき 初の書き下ろし主題歌 ドラマにも出演

[ 2011年8月13日 06:00 ]

 ★92年8月ランキング★
1 涙のキッス/サザンオールスターズ
2 浅い眠り/中島みゆき
3 シュラバ・ラ・バンバ/サザンオールスターズ
4 if/CHAGE&ASKA
5 You’re the Only…/小野正利
6 ガラスのメモリーズ/TUBE
7 もう恋なんてしない/槇原敬之
8 また逢える…/KIX・S
9 サヨナラ/GAO
10 BLOWIN’/B’z
注目眠れない夜を抱いて/ZARD
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【浅い眠り/中島みゆき】

 テレビに出演せず、独自の路線で10年以上走ってきた歌姫・中島みゆきのイメージが変わるきっかけとなったのが、92年7月29日発売の「浅い眠り」だった。

 フジテレビのドラマ「親愛なる者へ」の主題歌としてオリコンチャートでは最高2位だが、中島初のミリオンセラーとなり計102万枚をセールスした大ヒット曲は、同ドラマの大多亮プロデューサーからの“ご指名”で生まれた。

 もともと中島のファンだった大多だが、テレビの歌番組にも出演せず、ドラマに書き下ろしで曲を提供したことがなかった中島にオファーを出すには、それなりに勇気が必要だった。いわゆる芸能界から距離を置いているように見えた中島をどう口説くか考えた末、ドラマをよく知ってもらうことを第一に交渉に入った。

 脚本をすべて読んでもらった上で検討してもらうことにしたところ、中島から「ドラマの内容に共感した」という返事があり、主題歌の話は決定した。ドラマのタイトルからして実は中島が79年にリリースしたアルバムと同名で、いかに大多プロデューサーが中島へ強い思いを抱いていかがわかる。

 おまけに中島自身もドラマに役者として出演した。女医の役で第2話と最終回に登場。出番は少ないが、ドラマの中で鍵を握る人物を好演した。

 「親が産婦人科の医者だったので、不思議な縁だと思いました。OKの理由は、もののはずみというか、出来心というか、自分でもよく分かりません」とコメント。それまで「暗い」という先入観が付きまとっていた中島が、本業の歌でなく、ドラマでテレビに出るという話題は、ドラマの宣伝効果だけでなく、シングルの売り上げにも貢献した。

 「あ~んなに毎日毎日朝の早い業界は、あたしにゃとても務まらないとつくづく思います」と女優業はこれっきりかと思いきや、その後も映画に出演したりと、ファンを楽しませてくれる。

 主題歌もこれをきっかけにオファーが相次ぎ、日本テレビ「家なき子」の「空と君とのあいだに」やフジテレビ「Dr.コトー診療所」の「銀の龍の背に乗って」など中島みゆきが歌えばドラマがヒットするという図式が出来上がっている。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る