365日 あの頃ヒット曲ランキング 8月

【1974年8月】岬めぐり/山本コウタロー 南こうせつの作品をボツにして大ヒット

[ 2011年8月9日 06:00 ]

 ★74年8月ランキング★
1 追憶/沢田研二
2 ふれあい/中村雅俊
3 ひと夏の経験/山口百恵
4 恋のアメリカン・フットボール/フィンガー5
5 精霊流し/グレープ
6 夫婦鏡/殿さまキングス
7 岬めぐり/山本コウタローとウィークエンド
8 愛ふたたび/野口五郎
9 浜昼顔/五木ひろし
10 うすなそけ/中条きよし
注目結婚するって本当ですか/ダ・カーポ
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【岬めぐり/山本コウタローとウィークエンド】

 人気を博した「走れコウタロー」のヒットから3年。1年で解散したソルティー・シュガーのメンバーだった、山本コウタローは、その後通っていた一橋大学を卒業。74年に山本コウタローとウィークエンドを結成。オリコンチャート1位になった「走れ…」のレコード売り上げ34万枚よりも、売れたのが「岬めぐり」(39万枚)だった。

 作曲は「かぐや姫」の売れっ子、南こうせつに依頼した。が、出来上がってきたものは、イメージと違うもので、わりとマイナー調のもの悲しい雰囲気が漂っていた。

 「コウタローのイメージからいって、女にフラれてジメジメしているというのは合わない」というスタッフの意見から、これを思い切ってボツに。コウタロー自身が曲を作ったところ、カラリと明るい曲調になり、逆にさわやかな感じに。コウタローがDJを務めていたラジオの深夜放送で流すと、ここが導火線となってリスナーに浸透。地道に曲の良さが伝わり、6月発売ながら8月に入り、ヒットチャートのベストテンに入り込んだ。

 山本コウタローはその後、米国に渡り1年半、彼の地で生活。帰国後は、司会業や社会評論などの仕事をこなし、大学でも講義を持つようになった。

 地球環境問題、男女共同参画社会、平和問題、食農など活動範囲は広く、歌手としての活動は副業的な存在なりがちだが、08年に、かつてのメンバーを一部代えて山本コウタローとほぼウィークエンドとして復活。ライブ活動などを展開。「岬めぐり」は今でも人気があり、色あせることはない。

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