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【1971年4月】ナオミの夢/ヘドバとダビデ 急きょ日本語でレコーディングで大ヒット

[ 2011年4月28日 06:00 ]

 ★71年4月ランキング★
1 ナオミの夢/ヘドバとダビデ
2 知床旅情/加藤登紀子
3 花嫁/はしだのりひことクライマックス
4 空に太陽がある限り/にしきのあきら
5 傷だらけの人生/鶴田浩二
6 雨がやんだら/朝丘雪路
7 さいはての女/藤圭子
8 戦争を知らない子供たち/ジローズ
9 おんなの朝/美川憲一
10 望郷/森進一
注目 二人の世界/あおい輝彦
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ナオミの夢/ヘドバとダビデ】

 世界47カ国が参加し、70年11月に行われた第1回東京国際歌謡音楽祭(後の世界歌謡祭)でイスラエル代表として出場した男女2人組が見事グランプリを獲得した。26歳のヘドバ・アムラニ(女性)と2つ年上のダビデ・タルが歌ったのは、同国のインスタントコーヒーのCMソング。本国ではヒットしなかったが、後に日本語バージョンがレコードで発売され、オリコンチャートで4週連続1位を獲得し、67万枚のヒットとなった「ナオミの夢」だった。

 グランプリを獲得したことで、レコード会社が発売を決め、帰国直前の2人を引き止め、ほとんど意味を教えずに日本語の歌詞を覚えさせて1週間そこそこでレコーディング。B面にイスラエルで歌っているヘブライ語バージョンを入れることを条件に、翌71年1月にリリースした。

 2人がどういういきさつでコンビを組んだかは定かではないが、ともにイスラエル軍の軍楽隊出身。東京でグランプリを手にした時は、デビューから5年が過ぎていた。「ナオミ…」の大ヒットでその後、「幸せは夢でなく」(71年5月発売)、「朝もやのなか」(同10月)をリリースしたが、それぞれ2万枚の売り上げにとどまり、いわゆる“一発屋”として、日本の芸能界からは姿を消していった。

 時折、懐かしの歌番組のゲストとして登場することもあったが、ダビデは99年に麻薬中毒で急死したという一報が日本にも伝えられた。歌手として一世を風靡した時代が忘れられず、さまざまな商売にも手を出したがうまくいかなかったという。

 「ナオミ」は日本人を意識した名前ではなく、旧約聖書にも出てくるヘブライ語で「幸せ」を意味する言葉。イスラエルなとでは女性の名前でよく付けられている。

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