365日 あの頃ヒット曲ランキング 4月

【1991年4月】会いたい/似た体験の曲が大ヒット 沢田知可子 運命の1曲

[ 2011年4月17日 06:00 ]

07年12月、デビュー20周年記念コンサートを開いた沢田知可子
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 ★91年4月ランキング★
1 LADY NAVIGATION/B’z
2 Oh!Yeah/ラブストーリーは突然に/小田和正
3 二人静 天河伝説殺人事件より/中森明菜
4 はじまりはいつも雨/ASKA
5 会いたい/沢田知可子
6 歌えなかったラヴ・ソング/織田裕二
7 I LOVE YOU/尾崎豊
8 GLORY DAYS/LINDBERG
9 きっと熱いくちびる/Wink
10 想い出の九十九里浜/Mi―Ke
注目Wednesday Moon/徳永英明
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【会いたい/沢田知可子】

 予期せぬ運命とはまさにこういうことを言うのだろう。デビューして2年半、沢田知可子にアルバムの1曲として届けられた歌は、まさに沢田が体験したことをそのまま詞にしたかのような内容だった。

 海に行く、いっぱい映画を観る…初恋の人が突然亡くなってしまい、思い出すのは彼と約束したことばかり。会いたい、会いたいと思い願っても彼はもうここにはいない――。

 恋人ではなかったが、沢田は20歳の時に中学時代の憧れの先輩を交通事故で亡くしている。「俺、死にたくない」とおびえる先輩の冷たくなっていく手足を友人たちと懸命にさすった、という悲しい体験をしていた。歌の世界とはいえ、到底それだけで片付けられる気持ちにはなれなかった。

 俳優の柳葉敏郎と賀来千賀子が共演したJRA日本中央競馬会のCMソング「Live On The Turf」が話題になり、知名度が上がると、その1カ月前にリリースされた「会いたい」がクローズアップ。有線放送で65カ所で1位になるなど、ジワジワと浸透し、91年の年明けから春にかけてヒットチャート上位に入った。

 91年に日本有線放送大賞のグランプリを獲得、紅白歌合戦にも出場。「まるで自分のことじゃないみたいだった。3年間ほとんど売れなかったのに」。

 体育大受験のつもりが直前に事故に遭い断念。専門学校卒業後、当時の埼玉県警浦和署内にある浦和交通安全協会に就職し、運転免許の更新手続き事務などを行っていたが、アフター5にバンド活動をしていたことでデビューのきっかけをつかんだ。

 ヒット後、レコード会社との契約トラブルなどもあったが、130万枚売れた名曲のファンは今も多く、辛島美登里や杉山清貴らと行っている「アラウンド40メモリーコンサート」でも人気のナンバーである。

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