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【1992年2月】悲しみは雪のように/浜田省吾 この曲なら、と本人が推したドラマ主題歌

[ 2012年2月8日 06:00 ]

 ★92年2月ランキング★
1 悲しみは雪のように/浜田省吾
2 ガラガラヘビがやってくる/とんねるず
3 きっと、また逢える/松田聖子
4 それが大事/大事MANブラザーズバンド
5 いつか どこかで・風と君を待つだけ/小田和正
6 めちゃくちゃに泣いてしまいたい/工藤静香
7 Choo Choo TRAIN/ZOO
8 PIECE OF MY WISH/今井美樹
9 Promised Love/アルフィー
10 せつなさを殺せない/吉川晃司
注目背徳の瞳/V2
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【悲しみは雪のように/浜田省吾】

 「このドラマならこの曲がイメージに合う」。新曲を提供する代わりに、浜田省吾はかつてシングル盤として発売した曲を番組プロデューサーに示した。

 91年冬、女優鈴木保奈美を起用して大当たりしたフジテレビ系連続ドラマ「東京ラブストーリー」から1年。再度鈴木主演で、ドラマ「愛という名のもとに」が制作されることになった。「東京…」の大多亮プロデューサーは、今度のドラマの主題歌は是非浜田の曲でという構想が以前からあった。そもそも浜田の曲を聴きながらイメージを膨らませて、制作を決めたドラマ。浜田の曲なくしてドラマは成り立たなかった。大多プロデューサーは熱意を込めて浜田にドラマの主題歌を依頼した。

 79年の「風を感じて」がカップヌードルのCMソングになったことはあったが、以来その類の話は一切断ってきた。大多プロデューサーの熱意は分かるが、ステージのスケジュールがぎっしり詰まり、新曲にじっくり取り組む時間は浜田にはなかった。浜田がオファーを受けてくれなければ、ドラマを作る意味さえないと落胆していた矢先、浜田から連絡があった。「悲しみは雪のように、という曲があるけど、このドラマにイメージが近い歌だと思う。これならまた歌ってもいい」。

 「悲しみは雪のように」は81年9月に発売のアルバム「愛の世代の前に」に収録され、同年11月にシングルカットされた。母親が倒れ、生死の境をさまよった際に人に対する優しさを感じて書いた曲だった。

 これを星勝のアレンジで大胆に雰囲気を変えてリメーク。1月9日のドラマスタート直後から、フジテレビには主題歌に対して問い合わせが殺到。約1カ月後の2月1日にCDシングルが発売されると、出荷の段階で65万枚を記録。オリコンチャートでは2月10日付から4月20日付まで計10週1位を獲得し、計170万枚の大ヒット曲となった。

 この大ヒット曲で一部の熱烈ファンに支えられていた「ハマショー」が、一気に世間に知れ渡ることになり、コンサートのチケットはどこもプラチナと化し、アルバムも飛ぶように売れた。が、浜田は全くふれなかった。富も名声も得ても「素晴らしい音楽を作りたいという意欲があればやることはなくならない」。中学生の時、初めて楽器店のショー・ウインドーでエレキギター見た瞬間のときめきから、その思いは基本的に変わっていない。

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