ききみみ 音楽ハンター

スターダスト☆レビュー 仕切り板とソーシャルディスタンスで無料生配信ライブ

[ 2020年6月7日 05:30 ]

アクリル板で仕切り、距離をとってオンラインライブに挑んだ「スターダスト☆レビュー」
Photo By 提供写真

 コロナ禍でのミュージシャンの主戦場は、ウェブだ。2400以上の公演をこなしてきた正真正銘のライブバンド「スターダスト☆レビュー」も先月、デビュー39年にして初のオンラインライブに挑戦した。都内の広大なスタジオを借り、メンバーは平均3・27メートルの距離を取って各自をアクリル板で仕切るなど感染対策を徹底。スタジオ・ライブを生配信した。

 無観客でカメラに向かって歌い、演奏後に拍手がない不慣れな状況に加え、3カ月ぶりのライブ。リーダー根本要(63)も「楽しめるのか、平気な顔してできるのか、不安でした」と振り返った。だが1曲目「夢伝説」を終えて出た言葉は「あ~気持ちいいね!」。メンバーが久々に揃ってのセッションはやはり格別だった。その後はさすがの演奏力にハーモニー、止まらぬトーク…と本領発揮。毎回3時間に及ぶ本公演とまではいかずも、予定を超える2時間の熱演にファンもSNSで歓喜の声を上げ、「本当に無料でいいの?」とのつぶやきも。2万人以上が視聴し、熱狂した。

 翌日、根本に話を聞くと、配信への大反響を喜びながらも、気持ちはすでに先へ。「音楽業界でコロナの大打撃を受け、本当に大変なのはコンサートスタッフとか裏方さん。業界内で支援する方法がないか考えてます」。まだ体力の残るミュージシャンらが仲間を救済するシステムや基金を立ち上げるべく、全国のイベンターに窮状を聞き取っているという。「〝痛み分け〟できるような業界内の組織作りが必要だよね」と力を込めた。

 ライブに育てられたバンドだからこそ分かるライブハウスや公演関係者の苦労や存在意義。大御所の先輩や後輩にも一目置かれるスタレビが動けば、きっと何かが変わるだろう。(萩原 可奈) 


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