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頑張れ!インディーズ File66

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大切な“はじめの一歩”を踏み出す勇気〜シーガループで再起動

 一度築き上げたものを捨てられないからこそ、人は悩むし、これじゃダメだと思っていてもそこにとどまってしまう。壊すことの勇気。実践するのは精神的にも大きなストレスを伴う。壊したからといって、新しいものが前のものより良くなるという保証は全くない。それでも、踏み出さなければ何も変わらない。シーガループはその大切な“はじめの一歩”を勇気をもって踏み出した。

 「気分は新人バンド。サラブレドとは別物としてスタートした」と、ボーカル・ギターの青葉紘季。サラブレンド時代の3人に、メジャーの時期にはバンドを離れていたベースの安藤乱が加わり、シーガループを結成。メンバーが大きく変わっていないことから、バンド名を変えただけ、とも見られがちだが、それは違う。「言い訳のできないメンバーで、こういう音楽がやりたかったんだ、というものを出していきたい。そのためのシーガループ」(青葉)

 サラブレンドは目標だったメジャーデビューを果たした。そこで得た経験は何物にも替えがたいものがあったことは確かだ。その一方で、道はどこからか違ってきてしまった。サラブレンドを辞める時は、音楽を辞める時という決意もあったが、道が違ったまま辞めるのは、悔いが残るような気がした。そのための原点のインディーズからの再起動だ。

原点に戻ったからこそのタイトル「demodori」

 まずは試作盤のような形でリリースした「demodori」。インディーズへの出戻りという意味と同時に、もう一度原点からのスタートという意味がもちろんある。青葉と小学校2年から付き合いになる、ドラムの迫昌弘は一瞬、あっけに取られたが、青葉はサラブレンドを解散する直前から、このタイトルでの出直しを密かに考えていた。

 「原点だけど出戻り。この先、再婚があるのか、シングルのまま行くのか…」。自虐的にも聞こえるが、さまざまな縛りから解放され、目指すべき音楽がはっきりしたからこそ、付けられたタイトルでもあった。

 「跳んで 地面を蹴って前へ この目 くすぶってないぜ 羽ばたいて」。1曲目の「さよなら三日月」のサビの部分は、バンドの決意表明。「ウソは書きたくない」という青葉は、思ったことをストレートに吐き出すが、この曲はど真ん中直球。だからこそ、聴く者のハートを打ち抜く。バンド名が物語るように、カモメが大空を飛ぶようなイメージも伝わり、聴いていて、とても気持ち良くなった。

ギターから鍵盤主体へ。夢は競馬場ツアーと横浜スタジアム?

 音楽的にはギター中心から、鍵盤を主体としたサウンドに軸足を置くようになった。カギを握るのは、キーボード・プログラミングを担当する津田直彦。「ピアノロックというものだけに縛られたくない。柔軟にシンセサイザーなどを採り入れたりしたい」と、可能性は大きく広がる気配をみせている。

 武豊騎手と横浜ベイスターズをこよなく愛する青葉だが、バンドとして立ちたいステージの目標を聞くと、日本武道館や東京ドームでなく、「全国競馬場ツアーと横浜スタジアム」。他の3人のメンバーからは大笑いされたが、本人はいたって真剣そのもの。「音楽だけやっているコアなタイプではない。たまたまアウトプットするものが音楽だったということ」と、表面的には力みを見せないスタンスは、人間的な奥行きの広さを感じさせた。

 メジャーを経験して、得たものは多い。ファンはその中でも最大の宝物。「シーガループになっても応援し続けてくれるファンがいる。そのありがたみが最近よく感じる」。ファンの思いに応えるためにも、カモメは自由に飛ばなければならない。

   

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