頑張れ!インディーズ File62
鎧を脱ぎ捨てた彼らの「自己回帰」
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結成から7年。表現方法は変わったかもしれないが、軸はブレずにやってきた。「自己回帰」。バンド名そのもののテーマは不変だ。
「自分をじっくり見つめ直し、不純物を取り去り、残ったものから人間の本質が見えてくる。その中に伝えなければならないメッセージが出てくる」と砂月。
初期は空想的な物語を書いていて、自分のいいたいことをやや美化して、聞いた人がその中のメッセージを汲み取ってもらうという手法だった。
一方で、バンドがさらにステップアップするには、架空の世界に限界も感じた。「バンドをやっている生身の5人が身に付けている鎧を脱ぎ捨てた方が、より心に響くのではないか。オレはこう思っているということをストレートにぶつけた方が伝わるのではないか」(砂月)。
鎧を脱ぎ捨て、「人間の深層心理の負の部分」に着目した新譜は、砂月の自己回帰の結晶がぎっしり詰まっている。
ストレートで、痛い。でも、それが社会なのかな…
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「敵意を飲み込んで視線にうずもれる 毒された群れがうじゃうじゃうじゃ」(AMOMGSET FOOLISH ENEMIES)「決してお前には解りはしないだろ 腸煮え繰り返ってるんだよ 己が一番大事なんだろ 人は平気で傷つけるくせにな そうやってへらへら笑っているがいいさ 架空の偽善にしがみついてろ 何も解決するはずなんてない 今のお前達がいい例だろうが」(I HATE MYSELF AND WANT TO DIE)
ストレートすぎる。一般社会の中では直視できない、“何もそこまで言わなくても”というような、実に痛いところを突くフレーズ。たくさんの鎧で身を固めている人には、触れた瞬間に感電死してしまうかもしれない(鎧が頑丈すぎて何も感じなくなってしまっている人も多いかも…)。
砂月は言う。「街中にいる人がみんな狂っているように見えることがある。普段目をそむけていること、なぜ現実を見て見ぬふりをして笑っていられるのか。でも、それが社会というものなのかな…」。
絶望じゃない。その中でどう生きていくかだ
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絶望しているようにも聞こえるが、それは違う。音楽を介して、生きるためのメッセージを発している。「本当に絶望して死んでしまった方がいいと思っているなら、音楽でメッセージなんて伝える必要はない。その中でもどう生きていくかを問い続けたい」(砂月)。
曲の印象とは別に、すごく純な気持ちが伝わってくる。最近女性だけでなく、男性のファンも急増中という。言葉の上だけでは分からない、その奥にあるものに触れたとき、生きる意味が見えてくるからなのだろう。とても哲学的で難しい面もあるが、オリジナルの哲学もなく、流されるままに漫然と過ごす生き方は悲しい。一聴に値する新譜の12曲だ。
「自己回帰」の旅は、初の海外・フランス、ドイツへ
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リリースがあるから、曲を作らなきゃ、という感じではなく、メンバーはこんなことを考えている、こんな疑問を抱いている、ということを自然と語り合う“自然ミーティング”から、生み出されることが多い。レコーディングでは「曲に詩が入る、魂が入る瞬間というのは、ピリピリしてくる」と(匠)。砂月も直前まで詩を練りに練って、悩みに悩み抜いてメンバーに示す。メッセージを伝えることへの真剣勝負が、狭いスタジオの中で繰り広げられていく。
8月28日に東京・渋谷で2カ月に及ぶツアーが終了。「一番最後にすべてを放出できた」と匠は最後に最高のステージで締めくくれたことに納得。来月には初の海外ライブ。フランス、ドイツへ。「すべての環境が違う中で、どこまで伝わるのかが楽しみ」。自己回帰への旅はまだ果てしなく続く。
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