頑張れ!インディーズ File61
井戸の中のカエル―「されど空の深さを知る」
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ジェネス
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ニューアルバムのジャケットの裏側を見てみると、さらに言葉が刻まれていた。「されど空の深さを知る」。普段聞きなれた言葉が、とても新鮮な意味を持って感じられた。
井戸の中のカエル(人間と置き換えた方がいいだろうか…)は確かに狭く限られた空間しか知らないかもしれないが、空がどんなに高く、この世界にはまだまだ知らないことやさまざまな事象があることを、誰よりもよく知っている。自分が井の中の蛙だという自覚があれば、まだまだ伸びしろはある。空の高さまで、少しでも追いつきたいという目標ができるからだ。
「もっともっといろいろ知りたいし、その奥まで行きたいし、まだまだ勉強していかなければならない」。ジェネスのリーダーで、ボーカル・中村信也。方言丸出しの話し方がとても温かい。
力強いドラムの音が、切なさを表現することのテレ隠し?
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ジェネス
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「何度も何度も立ち上がれ そう繰り返し 道なき道を突き進む 何処までも」(衝動)「心の扉開き 信じるままに進めば 聞こえる声があるから」(行方知れず)。飾った詞も、女の子をうっとりさせるような美しい響きもそんなに感じない。歌詞はそのまま、中村の心の叫びだし、これからも前進して行こうというスタイルが表現されている。まじめで素朴。最近忘れていたおいだ。ゴツゴツした、野育ちの魅力は洗練されたバンドが目立つ中で、稀有な存在だろう。
どの曲もドラムの音がとても印象的だ。勢いもよく、ダラダラと緩いメロディーが続くことはなく、スパスパと小気味よく耳に残る。これまでは、明るい曲を歌っていたが、今回は切なさも表現する重要なテーマだったという。力強いドラムの音が、切なさを表現することのテレ隠しなのかもしれない。
空の高さを本当に知っている者しか抱けない大志…
「金かけなければ、売れねえというような音楽業界の常識を覆したいという気持ちはある」。中村は熱っぽく語った。音楽業界、メジャーの流通形態に乗らずに、いい作品を出しているバンド、頑張っているバンドが多くの人に聞いてもらうべきだし、そうなってほしいと、中村は願っている。
理想、きれいごと、そんなことできるの?一笑に付す人は多いかもしれない。理想を描けず、現実や世の中の流れだけに振り回されている人には、到底理解できない感覚かもしれない。けれど、はじめに笑われたり、否定されたり、首を傾げられたりしたものが、いつのまにか当たり前になるのが、世の常。その第一歩をジェネスが踏み出すという心意気、ただの井の中の蛙にはマネのできない、空の高さを本当に知っている者しか抱けない大志をいつまでも大切にしてもらいたい。
Jリーグ入りを目指す、グルージャ盛岡はJ2予備軍のJFLよりも下の組織のチーム。ジェネスの理想とJ昇格、2つの大きな夢がかなった時、このアルバムを聞き直すと感慨深いことだろう。
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