【M―1】やっぱり今年も難しい…ハライチ審査で意見真っ二つ 松本人志「すごく感動したんですけど」

[ 2021年12月19日 22:27 ]

敗者復活戦で漫才をするハライチ(C)M-1グランプリ事務局
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 漫才日本一決定戦「M―1グランプリ2021」(優勝賞金1000万円)決勝が19日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、お笑いコンビ「錦鯉」が過去最多6017組の頂点に立ち、第17代王者に輝いた。

 さすが、実力者ぞろいの大会。毎年のごとく、審査員が頭を悩ますが、今年も敗者復活から勝ち上がった結成15年目でラストイヤーのハライチの採点で割れる現象が起こった。

 敗者復活戦では、ボケの岩井勇気(35)演じる悪魔との契約で、澤部佑(35)が寿命と引き替えに微妙な力を得て慌てふためく男を熱演した。一方で決勝では、お互いに話を全否定し、否定された岩井が暴れまくって怒り出すという、これまでにないパターン。敗者復活戦では後半、ほとんど動きも口数もなかった岩井が、跳ねあがるなど大きな動きをする斬新なネタを披露した。

 漫才が終わった直後の岩井は「これがやりたいネタだったのでよかったです」と晴れ晴れした表情だったが、得点が表示されるとMCの今田は「点数が結構割れた」。得点は636点(オール巨人88、富澤90、塙89、志らく90、礼二89、松本92、上沼98)で、その時点では暫定3位に入ったが、のちにファイナルラウンド進出を逃した。

 審査員の上沼恵美子(66)は大絶賛。「審査員の皆さん、おかしいわ。やっぱり、このぐらいのレベルの方がファイナルに出てこないといけない。落ち着いているし、プロだし、安心できる。ドラマで当たってスターになっているのは分かりました。それで漫才も忘れていないところがものすごい感動しました。審査員おかしいわ」とユーモアもまじえながら拍手した。

 一方で富澤たけし(47)は「今までのハライチと違うし、敗者復活でやったネタとも違うし、それでこのネタ持ってくるのはすごいですが、好みとしてはおどおどする澤部をもっと見たかった」と話し、塙宣之(43)も「分かりやすいネタと分かりづらいネタがあるんです、ハライチの場合。分かりづらいネタを岩井はやりたがる傾向にあるので、ラストイヤーでやれてよかったんじゃないかと」と解説した。

 松本人志(58)は「僕もめちゃめちゃ面白かったですよ。ちょっと泣きながら笑いましたもん。その割にはウケがちょっと弱いかな、と感じがしました。ラストイヤーで、こんだけ手の内が分かっているハライチが、全然違う。また岩井のそういう面を見せてくれるのは、すごく感動したんですけど」と、会場内の空気と自らの感想が違ったことを告白。審査員の難しさを象徴するようなシーンとなった。

 敗退した瞬間に、澤部は「ありがとうございました。楽しい15年間でした」と感謝。岩井も「M―1グランプリ、ありがとう。楽しかった」とやりきった表情で爽やかに別れを告げると、スタジオから拍手が沸き起こっていた。

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2021年12月19日のニュース